Ne Obliviscaris / Equus

私の好きなオーストラリアのプログレッシブ・メタルバンドの Ne Obliviscaris が 3 月に新作を出すようですね。このバンドは過去にいくつもアルバムを紹介していますし、2019 年にはライブも行きました。

3 月にリリースするアルバムの中から 1 曲だけ、先行で公開されています。

 

メタリックな激しいドラムとバッキングの混沌をつんざくように出てくるヴァイオリンの伸びやかの美しさ、この対比が良いですね。これまでの曲よりも、より美しい感じがするように思えました。対比といえば、デスヴォイスとクリーントーンヴォイスの対比もスリリングな感じを強めますね。

新しいアルバムが楽しみです。

2022 年振り返り(K-POP 以外編)

(2022-01-09 紹介するのを忘れていたアルバムを追加したので日付も更新しました)

昨年は K-POP でさえも聴く時間が減ってた気がするのにそれ以外となると、もうココで紹介したアルバム数枚しかないんじゃ? って感じですが、一応 K-POP 以外も振り返っておきます。

K-POPの振り返りはこちら。

TEE / Total Edge Effect

これもレビューしようしようと思って時期を逸してしまったやつ。日本のシンフォフュージョンプログレ TEE の 5th アルバムです。

TEE は、フルートによる流れるような叙情的なメロディとテクニカルなギター、美しいキーボードが特徴的で、聴いていると幻想的な風景を浮かんでくるような感じですが、このアルバムでもその特徴が存分に感じられます。

1 曲目の出だしのピアノのメロディと続くフルートのメロディを聴いただけでもう存分に TEE の魅力が感じられてうれしい気分になりましたね。

フルート入ってことで、カナダの Maneige や、スペインの Gotic なんかと比べられたりすることが多いのかもしれませんが、TEE はもっとどこか懐かしい日本の風景が浮かんでくるような幻想的な美しさがあり、Gotic とはまた違った味わいがある気がします。

Brad Mehldau / Jacob’s Ladder

プログレに触発されたというこのアルバム、なかなかのプログレで衝撃的ではありました。

この曲なんて最高です。

Persefone / Metanoia

私がプログレメタルにより深くハマるきっかけとなったバンドのひとつ、Persefone のアルバムも今年序盤に出ました。

そして前作からの流れを組む組曲の Part3、ほぼインストの “Consciousness, Pt.3″、10 分を超える大作ですばらしいです。

期待通りの静と動の対比、デスヴォイスとクリーントーンヴォーカルの対比もすばらしく、ギミックに富んだ緩急をつけながらの展開もまったく飽きさせず、今でも結構聴いています。

JPL / Sapiens Chapitre 3/3: Actum

リリースを重ねるごとに Nemo との差異がなくなってきている気がする JPL。高品質のアルバムをリリースし続けているフレンチプログレシーンバリバリ現役のバンドです。

このアルバムは 3 部作の最後を飾るアルバム。伸びやかなギターが気持ち良いシンフォプログレですね。

JPL ではなく、Nemo の 1st を再録したアルバムも出ていて、そちらも結構聴きました。


あとは新作ではなく過去を懐かしむ的なこの 2 枚も良かったです。どちらもかなり聴き込んだアーティストなので、こういう作品がリリースされるのはうれしいですね。

Minimum Vital / Live Minnuendo 2021

John McLaughlin / The Montreux Years

Persefone / Metanoia

ここ 10 年ほどはプログレデスメタルのいくつかのバンドをプログレとして聞いているのですが、そのうちのひとつ Persefone が帰ってきました。

2 曲ほどが事前にリリースされていて、期待が高まってました。この 2 曲は Persefone らしいギミックの効いた曲で、いかにも Persefone という感じです。この 2 曲はよりメタル寄りで、ドラマチックさがあり、デスヴォイスとクリーンなヴォイスの対比も堪能できる良曲です。もちろんシンフォニックさもあってスケール感もあります。

ただ、このアルバムの魅力はこれだけではない!(当たり前)その他の曲ではインストパートがメインとも思える曲もあって、すばらしいです。

まずは 5 曲目の “Aware of Being Watched”(Feat. Merethe Soltvedt)、Merethe Soltvedt は特にメタル系の方ではないようですね。

この曲の「静」と「動」と「激」という感じで変化するダイナミックな曲ですね。ギミックに富んだテクニカルかつ叙情的なギタープレイが堪能できます。

そして、前作からの流れを組むのか “Part.3” と付いた 10 分を超える大作の “Consciousness, Pt.3″。キーボードによるシンフォニックサウンドが印象的です。この曲はインスト曲と言ってもいいでしょう(ヴォイスという感じでボーカルも入りますが)。この曲も「静」から始まって徐々にドラマチックに盛り上がっていき、「静」と「動」の変化が展開します。「動」の部分も激しいとまではいかない重厚なサウンドが緩急、強弱をつけながら続きます。

「プログレ」なサウンドではないのかもしれないけど、メタリックな解釈でプログレするとこうなりました的なプログレに仕上がってますね。この曲はすばらしい。

そしてアルバムの最後は組曲(?) “Anabasis”、Pt.1~3 で構成される、こちらもインストパートを十分に生かしながら、クリーン・デスヴォイス、静と動と激と目まぐるしく変化する、まさしくプログレデスメタルと言える曲ですね。

というわけで、アルバム 1 枚中でのプログレらしい構成も、1 曲の中でのプログレらしい展開も楽しめる良作です。ドラマチックで重厚感あるサウンドも私好み。しばらくヘビロテしそうです。

さらに詳しい情報は「ヘビーメタル.com」さんに詳しいです。

Cynic / Ascension Codes

Cynic が来ました!7年ぶり(?)の新譜でしょうか。

先行で公開されていた “Mythical Serpents” なんかで、効果音的にデス声が入る以外は、ほぼデスメタル的要素どころか、メタル的要素もありません。まあ演奏の全体的な雰囲気はメタリックなんですけど。

一聴して Cynic と分かるサウンドながら、よりスペーシーに、よりプログレッシヴに変化しています。独特の空間を感じさせながら流れるように展開していくところは、安心の Cynic サウンドという気がします。

Opeth In Cauda Venenum Tour in Japan 2019 @ Umeda Club Quattro

前回は、単独で来日したとき 2015 年に観ましたので 4 年半ぶりくらいでしょうか(Loud Park は行ってません)、Opeth が来るってことでこれは是非にも行かなければということで行ってきました。

今回は指定席、おじさんにはうれしい仕様ですね。席は後方のカウンター席の一列後ろのカウンター用の椅子が置いてあるだけの最後列でした(苦笑)。

元々デスメタルを聴かなかった私が Opeth を聴き始めたのは “Watershed” のときで、その後もアルバムが出るたびに聴いてはいるのですが、あまり聴き込んではいませんでした(Watershedより前もさかのぼって聴いています)。

そういう状態なのでどうかな?と思ったけど全くの杞憂でした。始まったらいきなり Opeth ワールドに引き込まれてたっぷり堪能しました。

Setlist

  1. Livets Trädgård(Intro)
  2. Svekets Prins
  3. The Leper Affinity
  4. Hjärtat vet vad handen gör
  5. Reverie/Harlequin Forest
  6. Nepenthe
  7. Moon Above, Sun Below
  8. Hope Leaves
  9. The Lotus Eater
  10. Allting tar slut

アンコール

  1. Sorceress
  2. Deliverance

“Watershed” の頃って、静と動、デスヴォイスとクリーントーンヴォイスの対比から来るギミックあふれる展開にプログレを感じてました。その後の作品は徐々にデスヴォイスが影を潜め、そのうちギミック的な展開も影を潜め、どちらかというとストレートでプレーンなロックに変化してて、デスメタルどころか、プログレでもなくなってるかもなー、なんて思って聴いていました。

ですが、この日のサウンドを聴いて感じたのは、Opeth のプログレ性って、音楽の複雑性や構成的なものでなく、そこに流れる北欧独特の陰鬱な雰囲気、Fredrik Åkesson による一聴してわかるギターサウンドから来る陰な雰囲気、Mikael Åkerfeldt の官能的なヴォーカルなどのトータルとして聴いた時の雰囲気にプログレがあるんじゃないかと感じました。言ってみれば Pink Floyd って音楽的にはさほどプログレではない(と思う)ものの、トータルのサウンドとしてはプログレしてるのと似てるような。

ちょっと大げさですが、そんな Opeth サウンドに引き込まれながら Opeth を感じられました。

MC 中でも話題になってましたが、もう結成 30 年なんですね。次の曲は何みたいな話題で客席から “Blackwater Park !!”みたいな声が上がった時も「20年も前の曲だぜ。そんなもん覚えてられるわけないだろ」(超訳)なんて Mikael が話してた程度に歴史になってるんですねえ。

20年も前の曲覚えてないなんていいつつも、セトリは結構幅広いアルバムから選曲されており、全体としてはクリオーントーンヴォイス中心ではあるものの、デスな曲も折り交えながらの進行でした(Blackwater Park からも選曲されてるしw)。最新作からは 3 曲、その他は 1 曲ずつですね。

途中には Mikael のユーモアあふれる MC があるのもこれまで通り(英語力ないのとメタルの知識ないのでよくわからん所も多かったですが)でした。

次回の来日があればまた行くよー。

画質も音も悪いけど Lotus Eater の一部