KBB / Four Corner’s Sky

ヴァイオリン入りプログレ KBB の 2003 年作、2nd。ヴァイオリン奏者壷井彰久を中心にしたバンドです。

1st に比べてジャズロック寄りになったという評判を聴いてましたが、確かにそういう感じはします。曲によっては非常にフュージョン寄りの演奏です。ジャズロック的なスリリングさとシンフォ的なドラマチックな 味わいが丁度よくバランスされたという感想です。位置づけ的にはジャンリュックポンティ辺りと近いでしょうか(これも曲によりますが)。

変拍子ながらも軽快な “Discontinuous Spiral”、ドラマチックな “Kraken’s Brain is Blasting”、スリリングなソロが古き良き時代のジャズロックを彷彿とさせる “Back Side Edge”、静と動という感じのダイナミックな “Slave Nature” はプログレ的展開とフュージョン的展開が良い感じでミックスされています。聴き応えのあるアルバムですよ。

こちらで購入できそうです。

 

(2004年に書いたレビューに加筆)

2022 年振り返り(K-POP 以外編)

(2022-01-09 紹介するのを忘れていたアルバムを追加したので日付も更新しました)

昨年は K-POP でさえも聴く時間が減ってた気がするのにそれ以外となると、もうココで紹介したアルバム数枚しかないんじゃ? って感じですが、一応 K-POP 以外も振り返っておきます。

K-POPの振り返りはこちら。

TEE / Total Edge Effect

これもレビューしようしようと思って時期を逸してしまったやつ。日本のシンフォフュージョンプログレ TEE の 5th アルバムです。

TEE は、フルートによる流れるような叙情的なメロディとテクニカルなギター、美しいキーボードが特徴的で、聴いていると幻想的な風景を浮かんでくるような感じですが、このアルバムでもその特徴が存分に感じられます。

1 曲目の出だしのピアノのメロディと続くフルートのメロディを聴いただけでもう存分に TEE の魅力が感じられてうれしい気分になりましたね。

フルート入ってことで、カナダの Maneige や、スペインの Gotic なんかと比べられたりすることが多いのかもしれませんが、TEE はもっとどこか懐かしい日本の風景が浮かんでくるような幻想的な美しさがあり、Gotic とはまた違った味わいがある気がします。

Brad Mehldau / Jacob’s Ladder

プログレに触発されたというこのアルバム、なかなかのプログレで衝撃的ではありました。

この曲なんて最高です。

Persefone / Metanoia

私がプログレメタルにより深くハマるきっかけとなったバンドのひとつ、Persefone のアルバムも今年序盤に出ました。

そして前作からの流れを組む組曲の Part3、ほぼインストの “Consciousness, Pt.3″、10 分を超える大作ですばらしいです。

期待通りの静と動の対比、デスヴォイスとクリーントーンヴォーカルの対比もすばらしく、ギミックに富んだ緩急をつけながらの展開もまったく飽きさせず、今でも結構聴いています。

JPL / Sapiens Chapitre 3/3: Actum

リリースを重ねるごとに Nemo との差異がなくなってきている気がする JPL。高品質のアルバムをリリースし続けているフレンチプログレシーンバリバリ現役のバンドです。

このアルバムは 3 部作の最後を飾るアルバム。伸びやかなギターが気持ち良いシンフォプログレですね。

JPL ではなく、Nemo の 1st を再録したアルバムも出ていて、そちらも結構聴きました。


あとは新作ではなく過去を懐かしむ的なこの 2 枚も良かったです。どちらもかなり聴き込んだアーティストなので、こういう作品がリリースされるのはうれしいですね。

Minimum Vital / Live Minnuendo 2021

John McLaughlin / The Montreux Years

Magma “ESKAHL 2022” @ なんば Hatch

Magma が大阪にも来ると聞いて、チケットが一般発売された時点ですぐに確保して行ってきました。

Magma、このサイトの URL にも入ってるくらいなので、ガチかと思われるかもしれませんが、実は網羅的に聞いているわけでもなく、曲を聞いても曲名はわからない(逆も)程度の素人です。Magma 聴いたのってプログレにハマってかなり後になってからなので全部は聴いてないと思う。それでも Magma サウンドはかなり個人的な好みにドンピシャなサウンドです。

会場はなんばHatch、こじんまりとはしていますが、天井も高く良いホールです。当日は多分 1 階席は座席ありで満席だったかと思います。2 階席はいなかったかな?(ちゃんと未確認)

コンサートはこれぞまさに Magma という感じで堪能しました。ボーカル 6 名の総勢 11 名から出るど迫力のサウンド。

最新アルバムからの曲が多かったんですかね。圧巻は本編最後の Mekanïk Destruktïw Kommandöh。ぐんぐん超高速なスピード感で迫ってくるのに、ど迫力の重厚感で迫り来るサウンド、ぞくぞくしました。

アンコールの最後は Christian Vander と愉快な仲間たちという体で、Christian Vander がステージ中央で楽しそうに歌い、それはそれでまた違った雰囲気の Magma で見てて楽しかったですね。

この調子だとまた来そうな勢いでした。イイヨイイヨ、また来てください。

セトリはこの辺りのツイートをどうぞ(?部分もリプライで明らかになってます)。

https://twitter.com/karukeno/status/1584519971857928192?s=20&t=3duEftvSvBGc-TI1DGAJdw

Jazz Q / Živí se diví: Live in Bratislava 1975

最近、技術系の同人誌販売のイベントなんかに参加してて、ちょっとこっちに手がつけられていませんが、音楽は聴いてます。最近入手した CD の中から良かったものの紹介。

チェコの Jazz Q です。1975 年スロヴァキアでのライブを収録したライブ盤。2013 年に一度リリースされていたようです。

これはもう Jazz Q 全盛期と言える演奏ではないでしょうか。

1 曲目出だしから Mahavishunu Orchestra を思わせるヴァイオリンとギターのサウンド、RTF を思わせるエレピが印象的。オリジナリティはどうなん? って思うかもしれませんが、だいぶ流麗な感じになったものの独特の暗さを漂わせながらのゴリゴリしたギターソロなんかは、これぞ東欧という感じです。

ちなみに Mahavishunu の “Sanctuary”、Billy Cobham の “Stratus” も演奏していますので、まあその辺りの影響を強く受けてはいるのでしょうね。

初期のゴリゴリジャズ感と、フュージョン的な流麗なバランスの取れた 1 曲目もいいのですが、女性ボーカルが入りの強いエネルギーを感じる 2 曲目がすばらしいです。

その他、カバー曲含めてなかなかの迫力で聴かせてくれますので是非どうぞ。

Mad Fellaz / Road to Planet Circus

イタリアのバンドの 2022 年作。

プログレ然とした味わいは一聴したところあまり感じなかったりするのですが、イタリアらしい開放的なひねりの効いたサウンドを聞かせてくれます。特に↑の曲はあまりプログレらしくない感じしますね。ただ、アルバムを聴き進めると結構アヴァンギャルドな雰囲気のする、色々な音楽の要素を感じる多彩なサウンドが堪能できます。

トランペット、サックス、フルート、マリンバなど色々な音が聞こえてカラフルな感じですね。

この(↓)風貌なんかもあまりプログレっぽくなくていいですね😂

こっちは結構ひねりの効いたプログレサウンドな気がするけど、ブルージーな雰囲気があったりするので、「ザ・プログレ」という感じではないかも。ザッパとかそんな感じもちょっとしますね。

このバンドはアルバムによって結構雰囲気が違うようです。