Er. J. Orchestra / Gabrielius

(こちらもウクライナの良作プログレなので再掲です)

ウクライナのグループの1st、1998年作。

出だしから Pat Metheny + Jan Garbarek と言った雰囲気ではじまるウクライナのフュージョングループです.とは言っても、それだけの言葉では語れない繊細で美しい音楽です。

ライナーのメンバー紹介が読めないので、どれだけのメンバーと 楽器が参加しているのか分からないのですが、結構たくさんの楽器が演奏していると思います。しかし、参加楽器全部が一挙に演奏して重厚さを出すと言う感じではなく、いくつかの楽器で繊細で美しい演奏を聴かせた後に、コロッと楽器編成が代わってまた美しい演奏が続くという部分も多く見られました。

例えば、出だしが民族楽器 (?) ではじまるエキゾチックな感じの 演奏で、途中からピアノやリコーダーによる美しい演奏に移行すると いう曲がいくつかありました。そのエキゾチックさとその後の美しい 演奏の変化が、意外な感じをあまり与える事なく、しかし曲がだらだらとした演奏になるのを防いでいるような感じもします。

ヴァイオリンは独特な演奏で、リコーダーが叙情的な雰囲気を良く出しているが、ピアノの美しさとサックスの透明感ある美しい演奏 (Garbarek 的) が印象的です。

全体的に叙情的で非常に美しい曲が多く、それにエキゾチックな雰囲気がオリジナリティを与えています。演奏レベルも文句なしで、満足の一枚でした。

(1999年に書いたレビュー)

Ichthyander Dad’s Only Dolphin / Playing Live At One Music Fest

このエントリーは 2020 年 9 月に書いたものですが、毎日報道されているニュースを見てるうちに、ウクライナの素晴らしい音楽を思い出して聴いたりしています。その中の一つ。早く平和が戻りますように。というわけで改めて日付を変えて更新です。

ウクライナのバンドの 2015 年作。これはなかなかすごいバンドじゃないですか!? 1994 年に結成してしばらく活動後解散、2014 年に再結成とのことです。

アルバムと同じ演奏の映像ですかね、あったので貼り付けておきます。

系統からすると 1 曲目はクリムゾン系ですね。ヴァイオリンによる攻撃的なメロディが緊張感があってたまりませんね。

全編そんな感じかと思うと 2 曲目はまた違う曲調です。どこかでこんな雰囲気のバンドあったなあと思うけど思い出せない。全編インストで、ジャズロックでバラエティ豊かな曲調で楽しませてくれます。

(2020年9月に書いたレビューに加筆)

Обійми Дощу (Obiymy Doschu) / Сон (Son)

叙情的でドラマチックなウクライナのバンドの 2017 年作。

メロディやリズム自体はそれほどプログレではなく、ギターは結構コテコテな良く泣く演奏だし、歌もドラマチックではあるものの結構ストレートなロック色が濃いのですが、曲全体としては非常にシンフォニックプログレを感じます。

演奏はヴァイオリンやフルート、チェロなどが入っているシンフォニック的な雰囲気です。その上、ウクライナ語(?)によるテノールちっくな独特のスケール感を持つボーカルがシンフォプログレ感を非常に醸し出していますね。

これは久々に上質な新しいシンフォプログレに出会った気がします。

ER.J.Orchestra / The Unicorn Live

2004 年のライブを収録した 2009 年盤.2004 年の "The Unicorn" というアルバムリリース後のライブらしい.

ウクライナの Pat Metheny Group と言えるくらい,ギターがメセニー入っていて笑えます.ギターソロになったら「キタキタキタ~」という感じ (笑).PMG 風なだけでなく,ヴァイオリンやフルート,リコーダー,ヴァイブ,トランペットやストリングスなども入って,まさにオーケストラという感じで美しい要素と,スリリングでよりジャズ風な演奏もあったりして,スタジオ盤以上に出来の良い好作品です..PMG風のヴォイスだけはちょっといただけませんが (苦笑).