モスクワで結成されたロシアのプログレッシブ・ロックバンドの 2024 年作。ということですが、今回のアルバムは 1 人で制作されているようです。ドラムと女性ボーカルは別として。で、そのヴァイオリニストである Andy Didorenko はウクライナ人のようなので、さてどこのバンドでしょうね。今はアメリカ在住とのことです。
YouTube にはあまり音源がないので、配信サービスなどでどうぞ。
Lost World Band って、こんなにギターゴリゴリなシンフォだっけ?というのがちょっと記憶にないのですが、以前の作品は聞き返してはいないです。ギターでシンフォのメロディを奏でると、結構注意しないと微妙な感じになる気がしますが、これは全くそのようなことはありません。
ギター一辺倒ということもなく、曲は結構バラエティに富んでいます。東欧のシンフォによくある、カチッとした精密な演奏が特徴的です。これはマルチミュージシャンによる作品ってところもあるかもしれませんが、バンドサウンドの時もそういう印象だったような。
2 曲目の “Crumble Down”、4 曲目の “Chimera’s Jig”、11 曲目 “The Last Salvo” はクリムゾン的。ギターの攻撃的な演奏で迫力たっぷりです。
3 曲目の “Aflame” はヴァイオリンのヒステリックな感じでギミックに富んだ曲が印象的。前の曲の音が詰まった感じからは変わって、音の間の空間が感じられます。9 曲目も同じ感じかな。
女性ボーカル入りの 5 曲目、10 曲目、15 曲目は静かできれいの女性ボーカルの世界に没入できます。
6 曲目もギター中心なのですが、そこまで攻撃的ではなく、重厚感のあるシンフォ作品という感じで、私の記憶に残ってる Lost World Band 的なサウンドに思えます。
8 曲目の “Mercurial” も 6 曲目と同じ流れな感じがします。
16 曲目 “Lighteharted” は、スケールの大きなシンフォ的メロディで、キーボード中心に重厚感のあるサウンドで明るく希望にあふれた感じで、最後を飾る曲というまとめ感があります。
まあ、興味を持たれたら一度通しで聞いてみてください。