武田理沙 デビューアルバム「Pandora」発売記念関西ツアー 2018 インストア・ミニライブ @ disk Union 大阪店

衝撃のデビュー作をリリースした武田理沙さんが関西ツアーをやる、それも初日はフリーのインストア・ミニライブってことで行ってきました。

会場は disk Union 大阪店。初めてですが、特にイベントスペースがあるわけではなく、「えっ、ここでやるん?」という、レジと棚と入り口の間で少しあるスペースでやっていました。店に入る人は入りづらかったはず😂

登場した武田さんは、あのパワフルな音からするとちょっと意外な小柄な方でした。お客さんとの距離が近かったからか、関西ツアー初日で興奮していたのか、MC はグダグダでした😂

「このご時世に二枚組の CD を作ってしまった」とか、アルバムの出来に満足しているからか「もう急に死ぬことになってもいい」みたいな話をしていました。

演奏は即興だと思いますが、写真にあるように小さなテーブルの上に置いた 2 台のキーボードと MacBook で 20 分ほど 1 曲演奏しました。見た目と小さな PA からとは思えないほどの迫力の音で、非常に面白い演奏でした。

当日は撮影自由だったので動画を撮影していましたが、安定の Xperia 君は途中で「本体の温度が上昇したのでカメラを終了します」と言って終わってしまったので途中までしか録画できませんでした。とりあえずその一部を。

武田理沙 / Pandora

Twitter ですごいと書かれていたのでちょっと聞いてみたのですが、これはすごい。的確に表現するボキャブラリーを私は持ってないので「すごい」としか言いようがないくらいすごい問題作😅

ジャズ・ピアノですごいヤツかなとか思ってそういう先入観で聞いたのですが全く違いました(なんでそう思ったのかは忘れた)。そういう入り方だったので「上原ひろみのデビュー作を聴いた時くらいの衝撃」と思ったのですが、良く考えるととってもズレた感想ですね。あちらは最初の音が出た瞬間からプログレ感たっぷりのノリで一気に持っていかれる感じですが、こちらは一曲目は静かに始まるのでそういうこともなし。しかし聴き進めるうちに「これはとんでもないヤツを聴いてるぞ」ってなりました。

“Pandora” というタイトル通り、パンドラの箱を開けたかのように色々飛び出してくる感ありますね。CD だと 2 枚組のたっぷり構成。曲はまさに「この先何が出てくるかわからない」という感じで進んでいきます。ジャズ、プログレ、ジャズロック、テクノ、ハウス、クラシック、エクスペリメンタルと色々な要素が曲ごとに違いますし、曲の中でもいきなりがさっと変わるところもあります。

そういうわけで、ちょっと聴いて「違うなあ」と思っても、一度は最後まで聴いてみる必要があるアルバムだと思いますね。なので「トレーラー」での紹介もちょっと違う気はするけど、でも曲の迫力とかは感じられるし、全部聴いてみようという気にはなりますので貼り付けました。いや、聴け。それくらい CD 1 枚目と 2 枚目では違いますし(曲名も 1,2 枚目でアルファベットと日本語で違いますね)、曲によっても全く違います。CD 2 枚なので長いですけど。

そして体力気力を整えて、しっかり準備してから正座して再生を始める必要があるほどのパワーで迫ってきます(とか言ってたらいつまで経っても聴けないのでそうでなくても聴くと良いですよ😂)。

ご本人の Tweet とともに感想を書いてたら、公式ページにご本人のセルフライナー載りました。そっちをご覧になると良いでしょう。

せっかくペタペタと Tweet 貼り付けて書いたのでとりあえずそっちも残しときますw

1 曲目は次の曲へと続くようなイントロ的な曲。そのまま 2 曲目の静かな前半へ。静かな部分のピアノの幻想的な静かさと、盛り上がる部分の流れるようなジャズロック的な対比が美しい。「印象派音楽」ってのは私はよくわかりませんw

そう言われるとチープに演奏したクラシック感ありますね。メロディに重なるように入る効果音みたいな色々な音がチープの中の豪華みたいな感じで面白いです。

クールなジャズロック風の雰囲気を漂わせるポストロック的な曲(ポストロックそんな知らんけど😅)。テクノよりはそんな感想を持ちました。

テクノ的な曲。色々な音が楽しそうに積み上げられてる感じがいいですね。

これはクラシック的な曲でなんかすごいですね。音数以上に感じるスケールの大きさがすごい。シリアスなシンフォニックロックという感じ。After Crying の一番スケール大きい感じの頃に似た迫力を感じますね。大作。

この曲は実は最初聴いたあとは印象に残ってなくて、再度アルバムを通しで聴いた時に「あれ?こんな爽やかな曲あったっけ?」と思った曲。序盤の静かで美しい部分から、3 分すぎくらいに急に爽やかな少し ソウル風味フュージョン風の気持ち良い曲に。ピアノ・ソロはジャズ風。前の曲を聴いた疲れを癒やしてくれそうw

いきなり暴力的なカオスで始まります。確かにこらえきれないものが噴出してる感じ、吐瀉物ですね😂 後半のチープなピロピロした感じのポップなメロディとの対比が嵐が去って落ち着いていながらご機嫌な感じを表してるのでしょうか😂(違

Area の “La mela di Odessa (1920)” の出だしを感じさせる冒頭(冒頭だけなんですけどね、感じるの)。その混沌を抜け出して出てくるのがまたまたチープで軽快な音が跳ねるようで楽しいです。

いきなり暴力的な混沌で始まる曲。こういう混沌は大好きです♪ この混沌を抜け出した後、ちょっとコミカルでチープな感じのする曲調に変化するのですが、その間をつなぐ静かな部分からコミカルに変化するところがなんかいいです。しばらく聴いているとそのままのノリで混沌へ逆戻り。

ちょっとオリエンタルな雰囲気の幻想的な曲。後半ゆっくり盛り上がっていきます。

ドラムソロっぽく始まりますね。その後重なるキーボードも確かにドラムに乗っける感じで即興的で実験的な感じがします。

この曲もオリエンタルな感じでくねくねと始まりますね。

EL&P っぽいスピード感あふれる曲。最後の方、混沌としながらもブルースなのおもしろい。

この曲は美しくて好きです。冒頭部分は Kenso を感じますね。革命前夜の慌ただしさと嵐の前の静けさが交互に現れてるのでしょうか(←テキトーな想像)。ドラマチックな感じのする美しい部分もあって良いです。

ゆったりとしたテンポで淡々と、でもしっかりと歩むように最後に向かって進んでいく曲。ゆったりとしたテンポがさらに迫力を増してる感じがしますね。強力な圧力を感じるのに静けさも感じます。

https://twitter.com/Risa_Tacked/status/1033999362957828096

 

驚愕のジャズ・ロック・プログレ・トランス(?) Ola Kvernberg / Steamdome

タイトルは適当です(ヲイ😅トランスほぼ知らないしw

ノルウェーのヴァイオリニスト、キーボーディストの Ola Kvernberg の作品で、ジャズ・ロック作品ということで買ってみました。

“Prologue” という曲名の通り、静かに始まるイントロ的な曲はどちらかというとシンフォニック・ロックのオープニングのようで、プログレ作品を予感してしまいますが、その後続く 2 曲目はエッジの効いたギターの音が印象的なジャズ・ロックな雰囲気が印象に残ります。

しかしその後聴き進めると、ドラムが超高速にテクノのような機械的なリズムを人力で叩き出しており、これはもしかして ROVO や Shobaleader One と同じようなカテゴリに入る音楽ではないか、と気付かされます。

曲から受ける印象は鋭いエッジの効いたギターから受けるジャズ・ロック色、ハモンドの音色から受けるプログレ色が前面に出てくるので、あまりハウス、テクノ、トランス、エレクトロニカなどの印象はありませんが、機械的なリズムの上でヴァイオリンが伸びやかに演奏するあたりは、まさに ROVO のようなトランスを感じます。

そういえば、ヴァイオリンとツインドラム+パーカッションによる分厚いリズムは ROVO と共通するところで、北欧の ROVO と呼んでおきましょう(笑)。

ちょっと調べると、この Ola Kvernberg はこの手の現代的な音楽だけでなく、伝統的なジャズもこなすようですね。

2017 年色々なジャンルの音楽振り返り(K-POP以外編)

K-POP の 2017 年 Top10 を紹介したので、それ以外の音楽もやらないとと思って考えてみました。K-POP を良く聴いているとはいえ、それ以外の音楽も相変わらず聴いています。

とはいえ、K-POP 以外のジャンルは、あまりアンテナを高く上げてないので、枚数にしたらそれほど聴いているわけでもなく、10 枚を選ぶほど聴いていないので、タイトルも「振り返り」として特に印象に残ったものを紹介していきます。

K-POP と違い、音楽の性格上、こちらはアルバム単位で紹介します。

Persefone / Aathma

このアルバムはリリースされて聴いた瞬間に「今年のベスト・アルバムになる!」と思いました。そして、今振り返ってみても評価は変わりません。

来日するってことで名古屋まで遠征もし、最前列で堪能しました(帰ってから1週間ほど寝込みましたw)。

この曲は、Persefone と同じくらい好きなプログレメタルバンド Cynic の Paul Masvidal をフィーチャーした名曲です。Persefone のプログレ観に Cynic のスペーシーな雰囲気が混ざって、プログレ度が一段とアップしていると思います。

このアルバムは、プログレとしても今年一番の作品ではないかと思います(元々私はプログレとして聴いてますけどね😄)。

Shobaleader One / Elektrac

K-POP のライブ前にタワーをぶらぶらしていて、来日前で紹介されたいたものを偶然見つけて、「お、Squarepusher 懐かしいな」と思って試聴したのが出会いです。

試聴で少し音を聴いた瞬間に、これは買いだ!ということで、曲はすぐにダウンロードし、ライブのチケットも即購入しました。

Squarepusher と 3 人の地球外生物による遠征という設定のようですね。光る覆面なんかもその設定から来ているのでしょうか。この雰囲気がまた音楽と良く合ってますね。

昔聴いた Squarepusher と同様に、テクノとかクラブ系にとどまらず、ジャズ・ロック、フュージョン的な音で非常に格好良いです。

打ち込みによるクラブミュージックを人力でやるというコンセプトは Rovo なんかで既に聴いているのですが、Rovo に比べるとドラムの音なんかがより打ち込み的に寄せている気がします。ライブで生で聴くと迫力たっぷりなのでそうでもなかったですがw

ライブももちろん最高でしたよ♪

Bare Infinity / The Butterfly Raiser

ギリシャのシンフォニックメタルバンドの 3 月に出た作品。なんでこの作品を知ったのか全く覚えてないのですが、かなりの回数聴いていると思います。

迫力と美しさが同居した女性ボーカルによる、ポップでキャッチーなメロディによる親しみやすい音楽で、気軽に聴けたのも何度も聴いた要因かも。

ギリシャは以前 “Seduce the Heaven” も結構気に入って聴きました。このバンドも女性ボーカルをフィーチャーしたシンフォっぽいデスメタルでしたが、この手の女性ボーカルをフィーチャーしたメタルバンドがギリシャには多いのでしょうか?

Soul Enema / Of Clans and Clones and Clowns

イスラエルのバンド。

女性ボーカルをフィーチャーしたコンテンポラリーなジャズ・ロックという感じですね。地中海的なエキゾチックな雰囲気もあって良いですね。女性ボーカルが歌うテーマ的な部分を除くと、ギターがフュージョンちっくなソロを取る硬派なジャズ・ロックという感じですよ。

MVがパロディな感じもしますねw

その他

今年出たアルバムで特に調べなくても「今年はこれが良かったな」と思えたのは、上で紹介したアルバムくらいですかね。後はブログを遡って「そういえば」と思い出したものです。それぞれのアルバムは、目新しさはないものの、それぞれのアーティストの安定の音を出してくれていて、良く聴いたアルバムです。

今回、この記事を書くにあたって聴き直してみましたが、どれも良盤ですよ。

Shobaleader One @ Umeda Club Quattro

Squarepusher のピカピカ光る覆面バンド Shobaleader One のライブ行ってきました。

Squarepusher の往年の名曲を超ハイテク人力でやろうというバンドのようですが、あまり昔の Squarepusher の曲は詳しくなく、ここ 2 週間くらいでアルバムを何度も聴いて予習しました。

会場は梅田のクラブクアトロ、スタンディングでほぼ全体が埋まるくらいの盛況ぶりでした。Opening Act のにせんねんもんだいの、ちょっとこれはリリースしてる曲チェックしたいなと思わせるステージのあと、しばらく休憩を挟んで出てきました、黒装束に電光掲示板の覆面をかぶったメンバーが。

思えばこのバンドの存在を知ったのは Apink のライブに神戸に行った時の、ライブ前に寄った Tower Records の試聴機でした (ライブ前に何聴いてるんだかw)。

そこで聴いて、即チケットの手配をするほど衝撃を受けたのですが、予想通りその衝撃なんて軽く吹っ飛ぶほどの衝撃的なライブでした。

とにかくジャズ、フュージョン、ジャズ・ロック、プログレ、テクノ、メタルの超かっこいいライブを同時に聞かされた感じ。もう今年最もかっこよかったライブはこれに決定と言っても良いほどです。

Squarepusher のあらゆるジャンルを横断するようなプレイがかっこ良いのは当然として、ドラムの COMPANY LASER がすごいです。あのドラムンベース的なリズムを正確に叩いているにもかかわらず、プレイにうねりが感じられて、これが機械的なリズムでやってる音楽に重要な面白さ、かっこよさを与えているんだと思います。

このうねりで、70 年代の電化マイルス〜マハヴィシュヌ・オーケストラのようなかっこいい混沌さのある曲を演奏し、それを生の迫力で聴いたのですから、これは衝撃を受けないわけはありません。しばらく余韻が残りそうです。

参考