SBB / Memento Z Banalnym Tryptykiem

80 年発売。出だしがクラシックのように始まるので、クラシック系のシンフォ系かと聴いていると、すぐにギターを中心としたジャズロック的な音楽へ。SBB で良くあるセッション的な色合いが感じられます。音楽的には、シンフォ色のある部分とアドリブ主体のジャズロックの部分がある感じで、曲によっては両方の要素が含まれる曲もありそういうところがこのアルバムの魅力ですね。

1, 3 曲目はジャズロック的でギターが中心となったテクニカルな感じと、ブルージーな感じが同居するギターソロ中心の曲で、セッション的な感じ、2 曲目はアコースティックギターによる内省的な曲、4 曲目はボーカルも時折入る、シンフォ的な味わいとジャズロック的味わいがあり、曲調も自然に変化して行く長い曲です。

セッション的な感じと、かちっとした感じのシンフォ的な所と、ジャズロック的な所が 1 枚のアルバムに同居していて、なかなかスリリングで聴いていて飽きない、なかなかの秀作だと思います。SBB の中では 1, 2 を争う好きなアルバムですね。

(昔書いたレビューに加筆)

Lizard / Tales from Artichoke Wood

ポーランドのシンフォバンド。このバンドからヴァイオリンが正式加入したとのこと。

バンド名からはクリムゾン・フォロワーを想像させますけど、このアルバムに関して言えば、確かにそういう雰囲気がなくはないですが、もっと角の取れたやわらかい感じのシンフォニック・ロックという感じです。

後半になるとクリムゾン的な緊迫感が強くなるような。柔らかなシンフォと緊迫感のある演奏、ハードな感じが入りまじった感じにな ります。

ヴァイオリンは本当にうまくて、かなりアルバムの味付けの重要な位置にいるような気がします。もしかしたらヴァイオリンがいなかったら、もっとクリムゾンっぽいのかも知れません。

(2005 年に書いたレビュー)

Anna Maria Jopek & Friends with Pat Metheny / Upojenie

Upojenie
Upojenie Pat Metheny

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(↑ Amazon が Pat Metheny 名義で売ってるけどちゃんと売ってほしい)

ポーランドの女性ボーカルの 2002 年作.来日もしてたみたいですね.

Pat Metheny との共作で,作曲とプロデュースも Metheny が手が けている作品とのこと.ライナーが全てポーランド語のようなので, 誰が何の楽器で参加しているのかちょっと分からないですが,Mino Cinelu も一曲参加しているようです.

一応女性ボーカルがメインって事なのか,Metheny らしさは多少 抑えながらという感じの曲が多いですが (それでも一聴して Metheny とわかりますけどね),Metheny の美しい幻想的なアコースティック ギターに透き通った水の流れのような女性ボーカルが重なる曲が,繊細な感じで美しいです.

何曲か Pat Metheny Group の曲も入っていて,ちょっとエスニッ クな味わいの女性ボーカルによる Are You Going With Me? はなかな か面白い仕上がりで,この曲に関しては Metheny 節全開という感じ です.

(2003年に書いたレビューに加筆)

Skalpel / Konfusion

Konfusion
Konfusion Skalpel

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おすすめ平均  star
star心地よい

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ポーランドの 2 人組によるユニット(?).ポーランドのジャズのレコードをサンプリングして作られた物だそうです.

Cinematic Orchestra と共通するような抑えた感じの雰囲気がありますね.音自体は,アコースティックなジャズから作られているので,ジャズなのですが,ミニマル的な反復により演奏されるので,ジャズとは違う独特な雰囲気があって,なかなか面白いですね.ジャズだけどジャズじゃない,ジャズじゃないけどジャズだ,って感じ.

SBB / New Century

2005年リリース.

最近の作風の流れで,あまりプログレ度は高くはありませんが,SBB らしいブルースの雰囲気たっぷりの音楽に仕上っています.

前半はエモーショナルで内省的な叙情的な感じの曲が続きます.ゆったりとじっくりと内面を歌い上げるような感じ.後半は以前の SBB の雰囲気のあるどちらかというと激しめのインプロビゼーション中心の音楽になります.