以前「フレンチプログレお気に入りアルバム10選」という企画をやったあと、特に同様の企画はしていませんでしたが、K-POP関連エントリで “KARA・少女時代 のち、LOVELYZ” さまとのやりとりで何か急に書きたくなってきたのがこの企画です(この辺りの投稿のコメント)。
イタリアン・プログレのお気に入りのうち、私が勝手にメジャーどころと思うアーティストは抜いて 10 個選んでみたいと思います。10 選ぶだけですので順序はお気に入りの順序とかとは関係ありません。まあどのまでがメジャーでどこからはメジャーでないかは微妙ですが、今回候補を選んで「これはメジャーかな」と思って抜いたのは、Arti、PFM、Area、Banco などですね〜。
Deus Ex Machina / Equilibrismo Da Insofferenza
超絶技巧ジャズ・ロック・メタル・プログレという感じです。以前レビューを書いているのでそちらをどうぞ。
ヴァイオリニストが先日の PFM でメンバーとして来日していましたね。
Eris Pluvia / Rings of Earthly Light
休日の朝、寝起きに聴きたい、そんな音楽です。こちらも以前のレビューをどうぞ。
このアルバムの 1 曲目がすばらしいのですが、YouTube では適当な音源を見つけられなかったので、Amazon で試聴できますのでどうぞ。
アルバムの 7 曲目、この曲もすばらしいです。
Locanda Delle Fate / Forse Le Lucciole Non Si Amano Piu
美しく緻密で出だしのピアノの荘厳なメロディを聴いただけでもう一気に曲に入り込んでいってしまいますね。
こちらも以前のレビューがありますのでどうぞ。
Etna / Etna
Etna より前は Flea という名前でサイケデリックなハードロックを演奏していたのが、突然変異した超かっこいいジャズ・ロック。作品はこの 1 枚だけです。イタリアの Return to Forever とでもいいたくなるようなエキゾチックでテクニカルな演奏が特徴。情熱的で突っ走るようなメロディと演奏ですね。
ちなみに Flea はこんなです。これがどうしたら Etna になるのか(笑)。とはいえ、この曲も 20 分超ありますのでプログレですね :-p
DFA / Duty Free Area
ヴェローナ出身のジャズ・ロックバンド。ジャズ・ロックとは書いたものの「ロック」を軸足に置いたジャズ・ロックサウンドです。ハイテクですが、Deus Ex Machina のようなぐいぐいくるようなテクニックの嵐も激しさもなく、さりげなくハイテク、抑えた演奏から知性が感じられる、そんな音です。
これからも楽しみなバンドだったのにメンバーのひとりが亡くなったためそのまま消滅したか。
ライブ映像も残ってます。前〜中盤にかけてシンセを中心とした静かな演奏から急に切り替わり、後半テクニカルにスピードアップするところがハイライト。
こちらは流れるようなテクニカルな演奏の中にカンタベリを感じる演奏。
Finisterre / In Ogni Luogo
従来は Genesis 系の王道を行くちょっと B 級の雰囲気のあるシンフォという感じのバンドだったと思いますが、中心人物である Fabio Zuffaniti の別プロジェクト Höstsonaten との差別化を図るためか、この作品で急にジャズ・ロック的な要素を取り入れたトリッキーなサウンドに変化しました。急に B 級感がなくなって一級品のプログレバンドになったと思います。
Höstsonaten / The Rime of the Ancient Mariner 〜Chapter one
先に紹介した Finisterre のメンバー Fabio Zuffanti のソロプロジェクトになるのかな(よく知らない)、Höstsonaten。このアルバムは 2012 年の作品ですね。
Höstsonaten はどのアルバムを取っても結構名盤揃いなので、このアルバム以外でも四季作の “Springsong”、”Winterthrough”、”Autumn Symphony”、”Summereve” も良いです。
本当に美しい情景が浮かんでくるような、シンフォニック・ロックの王道を行くようなサウンドです。
Montefeltro / Il Tempo di Far la Fantasia
ほわ~っとした雰囲気が特徴的な叙情的な優しいサウンドが特徴的なバンドの 1992 年作です。
もしかしたら録音が悪いせいなのかもしれないのですが、輪郭のはっきりしない浮遊感ある音がその優しいメロディにぴったり合っています。この曲は 22 分に及ぶ大作ですね。これもまさしくシンフォプログレ!
Bella Band / Bella Band
1978 年に一枚だけアルバムをリリースしたジャズ・ロック系バンド Bella Band。確か King のプログレシリーズにも入っていたはず。
ジャズ・ロック的な流れるようなテーマは管楽器の音由来でカンタベリっぽく、管楽器のソロに入るとさらに Soft Machine っぽくなりますね。ギターは結構ワイルドな感じでゴリゴリ攻めてき、キーボードが Fusion 的なソロを演奏し、一気にオーソドックスなジャズ・ロック的サウンドに引き戻される感じです。かっこいい。
Nuova Era / Return to the Castle
1988 年から活動しているイタリアン・プログレの王道を行くようなサウンドが特徴のバンド。あと、どこか垢抜けない B 級さが感じられてそれがなぜか魅力です。演奏もばたばたした学園祭ロック的なところがあって B 級さを際立たせます。
このアルバムは 2016 年リリースですが、その泥臭い垢抜けなさはそのままです。
演奏力がなくても曲が良ければ十分に魅力的であることを語っている 21 世紀には珍しいバンドです(20世紀には結構ありましたねw)。
(参考)
過去に似たような企画をやってました。ご参考にどうぞ。