twitter の @FrioK10 さんの呼びかけ が元になっているらしい企画が久々に見たプログレマニア的な企画で楽しそうだったので勝手に便乗させてもらうことにしました.なんか普段のレビューよりも力入ってるぞ.他に以下のサイトで公開されてるようです.
私はプログレを生で体験した世代ではありませんし,元々 Jazz/Fusion 系が好きで,そこから RTF, Mahavishnu 辺りを経由して Soft Machine, Gong 辺りのカンタベリにたどり着いたのと,高校時代に UK, King Crimson のレコードを借りた辺りがプログレの原点なんですが,ただ,一気にのめり込んだのは,インターネット黎明期に情報を得てからで,当時は Web とかはなくて,テキスト中心のネットニュース (fj.rec.music.progressive) なんかでマニアックな情報があったんですよね〜.というわけで,King Crimson 以外のメジャーバンドは経由せずにプログレの世界に入り (KC も宮殿以外は聴いた事ありませんでした),いきなり南米とか東欧とかの名前を聞いた事もないバンドばっかり漁ったりしてるという,かなりプログレファンとしては珍しい聴き方をしてると思います.なので選ぶアルバムもこんなんが入ってるのになんでアレはないんだ? とお叱りを受けそうな選択ですが,まあ,プログレを選ぶ姿勢もプログレッシブなんだとか適当にこじつけて選んじゃいます.
順位は付ける事はできないので地域ごとにだしていきますね.
Soft Machine / Six (UK)
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6(紙ジャケット仕様) ソフト・マシーン Sony Music Direct 2007-04-18 |
元々私は Casiopea, The Square, Prism 等の Fusion から,もう少し硬派な? Weather Report, WRTF, Mahavishnu 等を聴いていたのですが,その延長線上として Soft Machine 等の Jazz Rock 系プログレを聴くようになり,プログレの深みにはまっていくのですが,Soft Machine を聴きはじめた頃はまだプログレとしては聴いていませんでした.
Soft Machine は初期から後期の Fusion と言えるものも含めて全部選びたい所なのですが,前期〜中期の雰囲気と後の Fusion 的な雰囲気の架け橋となるようなこの作品を選んでみました.
U.K. (UK)
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U.K. U.K. EMIミュージック・ジャパン 1999-08-25 |
高校時代,Fusion や Jazz, Jazz Rock ばかり聴いている友人が,「それだったらこの辺りの『ロック』なら聴けるんちゃう?」とこれと「宮殿」の LP レコードを貸してくれました.当然プログレなんていう言葉は知らない頃です.初めて聴いたときは良くわかりませんでしたが,聴き込むうちに中毒のように… 良く考えると UK とクリムゾンを貸してくれる高校生ってのもかなり変態ですねw
Bill Bruford / Feels Good to Me (UK)
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Feels Good to Me Bill Bruford Winterfold UK 2005-06-21 |
硬派でテクニカルなジャズロックな所にかすかに漂う叙情.中でもポップなタイトル曲 “Feels Good to Me” が好きです.
Pendragon / The Masquerade Overture (UK)
Masquerade Overture (Reis) |
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Pendragon
Snapper Classics UK 2005-05-31 |
1996 年の作品なのですでに「現代」とは言えないのかも知れないけど,私にとってはネオプログレのひとつの完成系と思い込んでる作品で,シンフォと現代的ロックが自然に融合し,ファンタジックかつメロディアスでポップな構築美が感じられる名作.
Camel / Mirage (UK)
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Mirage (w/ bonus track) Camel Universal I.S. 2002-10-15 |
まあ Camel で一枚選ぶというと普通は The Snow Goose で,私も大好きなアルバムですが,このアルバムも同じくらい好きなアルバムです.後の作品に比べるとハードな雰囲気なんですが,ドラマチックな雰囲気で幕を開ける Lady Fantasy が本当に素晴らしく,これ一曲だけでこちらを選びました (他も良い曲ですよ :-).後のアルバムを予感させるロマンチックで叙情的な味わいと,このアルバム独特のハードさ,濃厚さ,他のアルバムにはない長尺曲による盛り上がりは,その後のライブの定番となったのもわかる名曲ですね.
Deus Ex Machina / Equilibrismo Da Insofferenza (Italy)
90 年代イタリアを代表するバンドの 5th.4th まではどちらかと言うとメタリックな香りが強いバンドでしたが,このアルバムで一気に管楽器を大きくフィーチャーしたフリージャズ的ノリと迫力のある超高速ジャズロックメタルバンドになりました.
Finisterre / In Ogni Luogo (Italy)
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In Ogni Luogo Remastered Finisterre Ams 2010-08-31 |
それまではどちらかというと演奏力にも素朴さが見えるシンフォニックロックという感じでしたが,このアルバムでジャズロック色を強め,同時に演奏力,アルバムの完成度もぐっとあがったジャズロック色のあるシンフォ作品.
Eris Pluvia / Rings of Earthly Light (Italy)
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Rings of Earthly Lights Eris Pluvia Musea Records France 2006-06-01 |
リコーダーが印象的なとにかく美しく,楽園のような音楽.爽やかな天気の良い休日の朝に聴きたいものです.
Locanda Dell Fate / Forse Le Lucciole Non Si Amano Piu (Italy)
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Forse Le Lucciole Non Si Locanda Delle Fate Mercury 1999-05-24 |
とにかくイタリア的な緻密で美しく,荘厳なシンフォニックロック.「妖精」という邦題もぴったりですね.
PFM / Cook (Italy)
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Cook P.F.M Pid 2010-10-05 |
名盤とされるスタジオ盤でなく,コレを選ぶのは,やっぱりあの美しい曲をライブならではの勢いで華麗に演奏する所がたまらない所ですね.クラシカルな華麗なシンフォ色に Fusion 的なノリが加わっている辺りが好きなのかもしれません.
Minimum Vital / Esprit D’amor (France)
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Esprit D’amor Minimum Vital Musea Records France 2006-06-01 |
元々は 1st/2nd 辺りの Fusion 色の濃いアルバムが好みで聴いていましたが,徐々にラテン的な古楽色の濃いポップミュージックへ変化していきます.このアルバムは 4th で Fusion 色とラテン古楽的ポップ路線が高いレベルでバランスした最高傑作かと思います.
Magma / Magma Live (France)
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MAGMA LIVE Magma Charly 2001-03-26 |
まあ,Magma も選ぶのが難しいんですが,Köhntark の徐々に盛り上がって行く所がゾクゾクします.
Nemo / Barbares (France)
個人的に現代のシンフォプログレを代表するバンドじゃないかと思っているフランスのバンド.タイトなハードロックにフランス独特の柔らかさが同居しているような感じ.25 分を超える大作のタイトル曲は名曲です.Spocks Beard の影響を感じるらしいけど,すみません,Spocks Beard のアルバム持ってません (コラ
Gong / Angels Egg (France)
Angel’s Egg |
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Gong
Caroline 2005-02-22 |
Gong も選ぶのに困ってしまうバンドなわけですが,初期のサイケ色と独特のユーモアと後につながる Fusion 的要素が絶妙にバランスしてるという感想のこれを選んでみました.一番聴いてるのは “Gazeuse!” か “25th Birthday Party” な気がしますが.^^; Pierre Moerlen’s Gong の “Live” とかもお気に入り.
Clearlight / Clearlight Symphony II
クリアライト・シンフォニー(CLEARLIGHT SYMPHONY)(紙ジャケット仕様)(PAPER SLEEVE) |
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クリアライト(CLEARLIGHT)
CAPTAIN TRIP RECORDS キャプテン・トリップ・レコーズ 2008-10-30 |
1973 年の 1st が Steve Hillage, Didier Malherbe, Tim Brake ら Gong メンバーの強力サポートで制作されていて,名作とされていますが,それを一部だけ使用して Cyrille Verdeaux 自身がリメイクした 1990 年の Symphony II の方が Clearlight らしくて,さらに Gong メンバーの演奏も楽しめて,という感じで好きだったりします.(↑の amazon リンクは 1st の方かと)
Zao / Kawana (France)
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カワナ ザオ ベル・アンティーク 2012-02-25 |
4th アルバムで Dedier Lockwood のヴァイオリンが入った,テクニカルな火花散るジャズロック.Yochko Seffer と Lockwood のソロバトルがね,もうたまりません.Magma 色は完全に抜けてますね.
Jean Luc Ponty / Mystical Adventures (France)
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Mystical Adventures Jean-Luc Ponty Wounded Bird 2012-02-22 |
Jean Luc Ponty というと真っ先に Enigmatic Ocean ということになりますが,シンフォプログレ的な美しさを感じるこのアルバムが好きです.1982 年の作品ですね.タイトル曲の静かに始まり徐々に盛り上がって行く所の美しさがたまりません.
Asia Minor / Between Flesh and Divine (France)
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Between Flesh & Divine Asia Minor Musea Records France 2002-10-29 |
トルコ系フランス人によるグループの 1980 年 2nd.時には叙情的に静かに,時には情熱的に激しく曲が進行する作品です.少し抑えた感じの情熱が見える感じの叙情的な味わいに,少しトルコ系のエキゾチック感じもほのかに漂う傑作.
Step Ahead (France)
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Step Ahead Step Ahead Musea Records France 2002-10-29 |
Step”S” Ahead じゃありません.1982 年の唯一のアルバム.
後のネオプログレに通じるような華やかで伸びやかなギターが特徴的なシンフォニックロック.とにかく外向的なパワーを強烈に感じる明るい透明感のあるサウンドが特徴的で,後のネオプログレほどハードな感じや大袈裟な感じはありません.ギターと同様にボーカルもハイトーンで伸びやか.
Focus / Focus at the Rainbow (Netherlands)
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ライヴ・アット・ザ・レインボー フォーカス ビクターエンタテインメント 2002-11-21 |
Focus の 1973 年の 4th アルバム.Focus のベスト盤的にも扱えるライブ盤の名盤.
しっかりシンフォニックプログレの王道を感じさせながら,ジャジーでハイテクなギター,ハードロックにもつながるような明快なメロディ,ポップで親しみやすいという,普通に考えると相反しそうな要素がなぜか自然に存在するスーパーグループだと思います.考えてみると,オランダにはこのようなポップで親しみやすいメロディのグループは結構いますね.
Gotic / Escense (Spain)
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夢の光景 – ESCENES ゴティック – GOTIC Arcangelo 2011-07-20 |
スペインのグループの唯一のアルバム.1978 年作.
フルートが特徴的な爽やかでファンタジックな Fusion 作品.エレピが軽やかに跳ね,かもめの RTF にも通じる独特の爽やかさと,Fusion にはないフルートの優しいメロディにより,優しく躍動感のあるプログレサウンドになっていますね.
(2012/05/22 順番を少し入れ替えてます)
(続く)