IQ / The Seventh House

ストレートでキャッチーなロックサウンドにうまくシンフォニック風味を足したという感じのシンフォニックロック。それほど重くならないのに、うまくドラマチックな味を出してスカッとヌケが良いのが聴いていて気持ち良いです。

(2001年に書いたレビュー)

武田理沙 / Pandora

Twitter ですごいと書かれていたのでちょっと聞いてみたのですが、これはすごい。的確に表現するボキャブラリーを私は持ってないので「すごい」としか言いようがないくらいすごい問題作😅

ジャズ・ピアノですごいヤツかなとか思ってそういう先入観で聞いたのですが全く違いました(なんでそう思ったのかは忘れた)。そういう入り方だったので「上原ひろみのデビュー作を聴いた時くらいの衝撃」と思ったのですが、良く考えるととってもズレた感想ですね。あちらは最初の音が出た瞬間からプログレ感たっぷりのノリで一気に持っていかれる感じですが、こちらは一曲目は静かに始まるのでそういうこともなし。しかし聴き進めるうちに「これはとんでもないヤツを聴いてるぞ」ってなりました。

“Pandora” というタイトル通り、パンドラの箱を開けたかのように色々飛び出してくる感ありますね。CD だと 2 枚組のたっぷり構成。曲はまさに「この先何が出てくるかわからない」という感じで進んでいきます。ジャズ、プログレ、ジャズロック、テクノ、ハウス、クラシック、エクスペリメンタルと色々な要素が曲ごとに違いますし、曲の中でもいきなりがさっと変わるところもあります。

そういうわけで、ちょっと聴いて「違うなあ」と思っても、一度は最後まで聴いてみる必要があるアルバムだと思いますね。なので「トレーラー」での紹介もちょっと違う気はするけど、でも曲の迫力とかは感じられるし、全部聴いてみようという気にはなりますので貼り付けました。いや、聴け。それくらい CD 1 枚目と 2 枚目では違いますし(曲名も 1,2 枚目でアルファベットと日本語で違いますね)、曲によっても全く違います。CD 2 枚なので長いですけど。

そして体力気力を整えて、しっかり準備してから正座して再生を始める必要があるほどのパワーで迫ってきます(とか言ってたらいつまで経っても聴けないのでそうでなくても聴くと良いですよ😂)。

ご本人の Tweet とともに感想を書いてたら、公式ページにご本人のセルフライナー載りました。そっちをご覧になると良いでしょう。

せっかくペタペタと Tweet 貼り付けて書いたのでとりあえずそっちも残しときますw

1 曲目は次の曲へと続くようなイントロ的な曲。そのまま 2 曲目の静かな前半へ。静かな部分のピアノの幻想的な静かさと、盛り上がる部分の流れるようなジャズロック的な対比が美しい。「印象派音楽」ってのは私はよくわかりませんw

そう言われるとチープに演奏したクラシック感ありますね。メロディに重なるように入る効果音みたいな色々な音がチープの中の豪華みたいな感じで面白いです。

クールなジャズロック風の雰囲気を漂わせるポストロック的な曲(ポストロックそんな知らんけど😅)。テクノよりはそんな感想を持ちました。

テクノ的な曲。色々な音が楽しそうに積み上げられてる感じがいいですね。

これはクラシック的な曲でなんかすごいですね。音数以上に感じるスケールの大きさがすごい。シリアスなシンフォニックロックという感じ。After Crying の一番スケール大きい感じの頃に似た迫力を感じますね。大作。

この曲は実は最初聴いたあとは印象に残ってなくて、再度アルバムを通しで聴いた時に「あれ?こんな爽やかな曲あったっけ?」と思った曲。序盤の静かで美しい部分から、3 分すぎくらいに急に爽やかな少し ソウル風味フュージョン風の気持ち良い曲に。ピアノ・ソロはジャズ風。前の曲を聴いた疲れを癒やしてくれそうw

いきなり暴力的なカオスで始まります。確かにこらえきれないものが噴出してる感じ、吐瀉物ですね😂 後半のチープなピロピロした感じのポップなメロディとの対比が嵐が去って落ち着いていながらご機嫌な感じを表してるのでしょうか😂(違

Area の “La mela di Odessa (1920)” の出だしを感じさせる冒頭(冒頭だけなんですけどね、感じるの)。その混沌を抜け出して出てくるのがまたまたチープで軽快な音が跳ねるようで楽しいです。

いきなり暴力的な混沌で始まる曲。こういう混沌は大好きです♪ この混沌を抜け出した後、ちょっとコミカルでチープな感じのする曲調に変化するのですが、その間をつなぐ静かな部分からコミカルに変化するところがなんかいいです。しばらく聴いているとそのままのノリで混沌へ逆戻り。

ちょっとオリエンタルな雰囲気の幻想的な曲。後半ゆっくり盛り上がっていきます。

ドラムソロっぽく始まりますね。その後重なるキーボードも確かにドラムに乗っける感じで即興的で実験的な感じがします。

この曲もオリエンタルな感じでくねくねと始まりますね。

EL&P っぽいスピード感あふれる曲。最後の方、混沌としながらもブルースなのおもしろい。

この曲は美しくて好きです。冒頭部分は Kenso を感じますね。革命前夜の慌ただしさと嵐の前の静けさが交互に現れてるのでしょうか(←テキトーな想像)。ドラマチックな感じのする美しい部分もあって良いです。

ゆったりとしたテンポで淡々と、でもしっかりと歩むように最後に向かって進んでいく曲。ゆったりとしたテンポがさらに迫力を増してる感じがしますね。強力な圧力を感じるのに静けさも感じます。

 

Iona / Open Sky

https://www.youtube.com/watch?v=0c6g0HItFdg

ライブ盤からあまり間を空けずにリリースされたアルバム。

1 曲目のライブ盤のタイトルとなった Woven Cord で幕開ける、壮大なケルトシンフォニック 作品です。

今までの作品は明るい伸びやかなロック+ケルト色という感じだったのですが、このアルバムではケルト色がかなり強くなっており、ロック風味のケルトミュージックという感じになっています。

ケルト的な静かな演奏に Joanne Hogg の透明感のあるボーカルが絡み,音楽に深みを与える曲や、インストでケルト色たっぷりに盛り上がる曲など、全体的に Lord of the Dance と Riverdance の音楽の中間のような音楽です。楽器もアイリッシュトラッドで使われるような楽器が前面に出てきています。

今までのファンにも十分納得できるように仕上げながらも、新しい試みがなされているようで、今までのファンもケルト系の音楽のファンも必聴のアルバムでしょう。

(2000年に書いたレビュー)

Iona with The All Souls Orchestra / Woven Cord

1999 年 5 月に IONA 結成 10 周年を記念してロンドンの Royal Festival Hall で行なわれた、オーケストラとの共演ライブを収録したライブ盤です(というわけで名義が Iona with The All Souls Orchestra になってます)。

基本的には IONA の代表曲(?)をオーケストラ向けにアレンジしたものですが、一部アルバム未収録曲も収録されています。IONA らしさを失うことなく,オーケストラを導入して、更にスケールアップしたと言う感じで、ケルト・ロックファンだけでなく、シンフォニック・ロックファンにも薦められるような好作品に仕上がっています。

Joanna Hogg のボーカルも堂々とオーケストラと渡り合っています。IONA 独特のスケールの大きいギターをオーケストラに置き換えたような所は、IONA の気持ち良いギターソロなんかの気持ち良さが聴けずに少し残念な気もしますが、それはそれ、こっちはまた違う魅力があり良いかなと思います。

今までの IONA ファンも安心してお聴き頂ける仕上がりですね。(^_^)

(1999 年に書いたレビューを一部修正)

↓この演奏はオーケストラではないですが、イーリアンパイプの音色がたまりません。

Iona / Journey into the Morn

(↑はリマスター盤のジャケットのようですね。オリジナルは異なります)

ケルティックな味わいとポップなロックを融合したイギリスのバンドです。1995 年 4th アルバムで日本デビュー作。アイルランドのバンドと書いてあるレビューが多いですが、イギリスのはずです。

透き通るような美しい女性ボーカル(Joanne Hogg)がこのバンドのひとつのキーです。そのボーカルがポップで乗りの良いケルティックロックの上に乗っかるような感じです。

アイルランド的色彩により、ヌケの良さが出ているように感じます。それがふっきれたものを感じさせて、それが爽快な軽快さにつながっていて、自然にさらっと聴けます。しかも心の中には十分染み渡る感じですね。曲によっては壮大で叙情的な曲調で、長大重厚なプログレ的展開を見せる所もあります。イーリアンパイプによる重厚で叙情的な音色もいいですね。

Robert Fripp が 2 曲参加しています。

この曲はアルバム中でも傑作のひとつですね。幻想的で美しい女性ボーカルにより徐々に盛り上がっていき、途中のためるように一度抑える感じになったあと、急に激しく盛り上がるギターソロから、ホイッスルがケルティックに重なり、そこから Joanne Hogg のボーカルが浮かび上がるように姿を現すあたり、ポップでかつプログレッシヴで泣けます😅

ちょっと音が悪いけど、このアルバムの 2 曲目を飾る曲。

(1999 年に書いたレビューを修正、調整、加筆)