Spiral Orchestra / Atlas Ark

スイスのギターリスト Thomas Chaillan によるシンフォニック・ロック。2019 年作。

ファンタジックな感じのシンフォニック・ロック作品で、結構な人数が参加している作品です。出だしからシンフォニック的な壮大でファンタジックなサウンドが展開されます。

壮大なシンフォながらも印象に残るフレーズをギターが演奏していたりしてそこも結構作品全体からすると、シンフォという性質からするとちょっと意外な感じがするところなんかが印象に残る所です。

Fusion ファンとしての耳が反応する曲もあって良いですね!

Ergo Sum / Mixolidio

チリのバンドの 1999 年作。2nd らしい。

チリらしいテクニカルでヘヴィなメタル風味なジャズロック。

エッジの効いた無機質なギターによるヘヴィなサウンドに、フルート、ヴィブラフォンが絡んで様々な表情を見せてくれます。

フルートは時には無機質で暴力的なギターに冷たさを与えて、よりエッジが効いいた鋭いサウンドになったり、時にはエモーショナルでリリカルな色合いを与えたりと、音の幅を広げるような役割を果たしている気がします。

それはヴィブラフォンも同様で、より冷たく響くサウンドになったり、ジャズ的な疾走感を与えたりしています。

アルバム後半はライブ録音なのか、鋭くヘヴィな面は影を潜め、曲もギミックの効いたプログレではなく、ノリの良い疾走感のあるギターが縦横無尽に駆け抜けるジャズ・ロック風味で、ヴィブラフォンの跳ねるようなサウンドが気持ち良いです。

Mc Hacek / Featuring Ourselves

1997 ~ 1998 年にかけて録音されたオーストリアのバンドの作品。その後 Terry Bozzio との共演や UK での活動にも参加した、オーストリア出身のギターリスト Alex MacHacek を中心としたバンドです。

ちょっとどっかで見た気がするだけで定かではないのですが、音楽学校の卒業制作か、それを元にしたメンバーによる作品をリリースしたものという話だったような。

Holdsworth っぽいギターとビブラフォン、パーカッションなどのリズムが 特徴的で Pierre Moerlen’s Gong 的なノリがあるジャズロックです。パーカッション、ドラムやビブラフォンなどの打楽器の躍動感と、流れるようなギターが一体感溢れる軽快なジャズロックを演奏していてかなり私好み。:-)

Holdsworth とザッパが好きなんだろうなというサウンドですね。

5 曲目の Donna Lee の演奏が面白くて反則。😂

(1999年に書いたレビューに加筆、調整)

Amazon, Apple Music では見つけられませんでした。Bandcamp で購入できるようです。

Iona with The All Souls Orchestra / Woven Cord

1999 年 5 月に IONA 結成 10 周年を記念してロンドンの Royal Festival Hall で行なわれた、オーケストラとの共演ライブを収録したライブ盤です(というわけで名義が Iona with The All Souls Orchestra になってます)。

基本的には IONA の代表曲(?)をオーケストラ向けにアレンジしたものですが、一部アルバム未収録曲も収録されています。IONA らしさを失うことなく,オーケストラを導入して、更にスケールアップしたと言う感じで、ケルト・ロックファンだけでなく、シンフォニック・ロックファンにも薦められるような好作品に仕上がっています。

Joanna Hogg のボーカルも堂々とオーケストラと渡り合っています。IONA 独特のスケールの大きいギターをオーケストラに置き換えたような所は、IONA の気持ち良いギターソロなんかの気持ち良さが聴けずに少し残念な気もしますが、それはそれ、こっちはまた違う魅力があり良いかなと思います。

今までの IONA ファンも安心してお聴き頂ける仕上がりですね。(^_^)

(1999 年に書いたレビューを一部修正)

↓この演奏はオーケストラではないですが、イーリアンパイプの音色がたまりません。