Steve Clarke & Network / Highly Commited Media Players

このアルバムの目玉は Larry Coryell と Jack Bruce の参加でしょ うか。Larry Coryell は全曲 (?) に参加しています。

出だしいきなり疾走感あり過ぎのジャズロックな曲で始まります。格好の良いスピード感溢れるトランペットと他の楽器のすき間ととにかく埋めたいのか? (^^;) と思わせるドラムが鳴りまくり、他の誰も曲についてこれてないんじゃないか? なんて思ってしまいます(そんなことはないですが)。全体的にこういう雰囲気なのかなと思いましたが、さすが Larry Coryell が参加することによって、疾走感の出過ぎが抑えられ、少し暖かみも加わったような感じになります。Larry Coryell が全体を自分のペースに巻き込むような感じでしょうか。あまり Larry Coryell が目立たない曲では、ひたすら超高速ジャズロックが展開される感じですが… (^^;)

Jack Bruce 参加の曲は 1 曲で、格好の良いボーカル入りのハードなジャズロック+ハードロックという感じで、これも格好の良い曲でした。

全体的にみると、やはりトランペットとドラムが印象に残る格好の良いジャズロックで、時おり Larry Coryell が存在感を示すという感じですかね。

全体的にかなりセッション色の濃い荒削りの演奏なのですが、その割に曲はしっかりと骨格があるような気がして、セッション色の強いジャズロック作品にありがちな、ソロばかり目だって、曲があまりメロディアスじゃない、ってこともない所が結構 Fusion ファン向きかなと思います。

Steve Clarke & Network / L.N.C.

Network の 5th アルバム。今までの作品は Tim Crowther と Steve Clarke を中心とした セッション作品という感じだったけど、この作品は Steve Clarke 個人の趣味のセッションと いう雰囲気が強くなっています。というのも Tim Crowther があまり目立たないからですね。

Jan Hammer, Keith More, Tom Coster などの凄腕を集めて作られたこの作品はなんとジャズ・ ロックベースのデスメタル。

そういうわけで、今までの作品を聴いた人に素直に勧める事は出来ないんですが、ジャズ・ ロックにデス声のボーカルが乗っかっているという感じなので、デス声さえ拒否反応がなければ オッケーじゃないでしょうかね。ま、この作品以外が気に入った人で「デス声大丈夫」って人 はかなり珍しいでしょうけどね (笑) 。

(2001 年に書いたレビューを調整)

Steve Clarke & Network / Precisely the Opposite of What We Know to Be True

4th アルバム。相変わらずセッション色の強い作品で、荒削りながらも勢いで聴かせてくれます。音楽的には 3rd 路線の延長ですが、 Hugh Hopper の参加があったからかどうかは知りませんが、更にぐちゃぐちゃしたフリーな演奏になっているような気がします。

しかし、相変わらずのドカドカ叩く Steve Clarke のドラムのお かげかそんなにグチャグチャにきこえないですね。ドラムス、トランペット中心でギターも一体となってのスピード感溢れる迫力あるジャ ズロックと言った所です。トランペットが特に印象的ですね。

(2001年に書いたレビュー)

Steve Clarke & Network / Corroded Path

Network の 2nd アルバム。1st のマイルス系トランペットとギターのインプロヴィゼーションととにかく叩きまくるドラムが特徴で、荒々しく生々しいセッション音源的なものから一変して、こちらはかなりまとまったフュージョン的味わいのある作品となっています。

とは言っても、ドラムは相変わらず叩きまくってますし、ギターは弾きまくっているのですが、録音が前より良いからかもしれませんが、音全体がまとまっているように聞こえます。それに曲も前作よりはメロディ重視という感じですね。わかりやすくなった分、1st のとにかく激しいソロの応酬みたいなのがちょっと減退した所はちょっと残念な気もします。あと、トランペットが前作ほど目立たなくなったかな。とはいえ、ジャズ的な熱いソロとフュージョン的まとまりが良い所で釣合いをとっているようでおすすめです。

(2000年に書いたレビューに加筆、調整)