King Crimson Music Is Our Friend Japan 2021 @ Festival Hall

(2021-12-05 少し更新)

King Crimson、来日公演の予定があるというのはもちろん知っていたのですが、昨今の状況を見ると今年は無理じゃない?と思ってチケットは買ってませんでした。そんなときに、このブログにもコメントをくださってる ANGIE さんから、Crimson のチケットを買ったお話と、メンバーは来日してホテルで隔離生活を送っていることをお聞きして、早速チケットを確保し、行ってきました。

リアルコンサートは 2020 年 2 月末の Korpiklaani 以来!(このライブ会場で大阪のライブハウスでのクラスター発生のニュースを見たのでした…)

というわけで、フェスティバルホールの 2 日目、席は S 席で 1F の 25 列目の隅の方でした。特にかぶりつきで見たいわけではなく、その場にいて音が聴ければ良いので満足です。そんなに遠くなかったです。特に席を 1 つごとに空けるとかもなく、普通に人が入ってました。所々空席はあるものの。

セットリストは色々なとこにあるのでそちらをどうぞ。

事前のインタビュー何かを見ると、セットリストはレパートリーの中から当日の朝ロバートフリップが発表するとかで、メンバーも当日までわからない、そして毎日違うということだったようですね。私はクリムゾンはそんなに詳しくない素人なんですが、そんな私でもわかるヒット曲(?)が連続するセットリストで良かったです。

そしてトリプルドラム。前回は特に何か感じた覚えがないのですが(単に忘れてるだけのような)、今回はこれが一番コンサートを引っ張ってた感!1 部、2 部ともにドラムソロな曲(ソロじゃないか)から始まるところから構成的にもそれが狙い?

これは 1 部最後の 21 世紀で最高潮を迎えます?21世紀ってこんなにドラムがグイグイ引っ張っていく曲だっけ?と思うくらい新鮮でした。パワフルでうねるようなドラム、それが 3 つ重なるわけですから、強大なうねりとなって襲ってきます。そのドラムがグイグイ曲を引っ張って、そして重厚なサウンドを作り出す。それでいて繊細。この曲が終わったところで客席も(声は出さないままですが)最絶頂。終わった瞬間にスタンディングオベーション。

このトリプルドラム、完全にお互いの信頼関係、役割分担が完璧で、違う音を出す時はお互いにどのタイミングでどの音を出すのかがわかってるようですし、同じ音を出す際も完全なユニゾンではなく、微妙な差があって、それが強大なうねりとなって迫ってくるんだと思います。本当にすごい。

2 部もこの流れはそのままに名曲が続けて演奏されていきます。パワフルなうねりのあるドラムもそのまま。それに引っ張られるように全体がグーッと盛り上がっていきました。そしてあの透き通るようでいながら声量があって重厚なボーカル!

この迫力はやはり生で演奏を聴くならではですねえ。あのトリプルドラムの迫力は映像で見てもわからないと思う。

アンコールの Starless が終わってこの日 3 度目のスタンディングオベーションの嵐に続いて、最後はお約束のトニー・レヴィンさんがスマホを掲げたところでフォトタイム(笑)。大きな拍手とともにみんながスマホを掲げてステージを撮影して終わったのでした。小さくてよくわからんですが、たぶん、うんうんと満足そうに客席を眺めるロバート・フリップさんの姿を見て、満足のコンサートは終わったのでした。

今回、あと少し日程が遅ければ入国禁止になって開催できてなかっただろうし、そうでなくても開催までにはかなりの困難があったと想像できます。メンバーはもちろんすべての関係者に感謝です。

いやー、改めて生で音を聞くことの迫力の力を思い知らされました。当たり前と思ってたことだけど当たり前じゃない世の中で。

トニーレヴィンのツアーダイアリーにこの日のレポートが上がってます(他の日もあります)。

Cynic / Ascension Codes

Cynic が来ました!7年ぶり(?)の新譜でしょうか。

先行で公開されていた “Mythical Serpents” なんかで、効果音的にデス声が入る以外は、ほぼデスメタル的要素どころか、メタル的要素もありません。まあ演奏の全体的な雰囲気はメタリックなんですけど。

一聴して Cynic と分かるサウンドながら、よりスペーシーに、よりプログレッシヴに変化しています。独特の空間を感じさせながら流れるように展開していくところは、安心の Cynic サウンドという気がします。

Sloche / Stadacon

1st よりもプログレとより聴きやすいフュージョン路線に寄った感じのする 1976 年作 2nd。

ギターは相変わらずのゴリゴリジャズロック路線ながらも、キーボードがよりシンフォニックロックに寄ったサウンドを聞かせ、ある意味 1st よりは耳に心地よいサウンドとなりながらも、ギターのゴリゴリ感からくるジャズロック・フュージョン感が私には心地よくて聴きやすいです。

熱い情熱がほとばしるサウンドなら 1st、良くまとまった高度に洗練されたサウンドが聴きたいなら 2nd というところでしょうか。

Sloche / J’un Oeil

1971 年結成のケベック産ジャズロック系バンドの 1st。1975 年。

出たしの浮遊館が Steve Hillage を感じさせて、そういう方向に行くのか?と思いましたが、その後は知性あふれる感じの漂う当時のフュージョンを感じさせるサウンドが展開されます。

ケベックらしさの感じる直球のジャズロック感を感じるギタープレイと、その角を取るようなキーボードのプレイが良い感じにミックスされて、ケベックらしいサウンドが産み出されている感じがします。ギターは結構ゴリゴリ感あるプレイですが、キーボードでその角を取っている感じがしますね。

Neuschwanstein / Battlement

https://www.youtube.com/watch?v=tW63y1vpJvA

ドイツのバンドの 1979 年作 1st。

ボーカルが一聴しただけで Peter Gabriel 風だと分かる Genesis フォロワーなバンド。他ももちろん Genesis 風ですが、アコースティックギターとフルートがオリジナリティを出していて良い雰囲気です。

ボーカルとフルートが絡む 1 曲目は、叙情的な味わいと独特の軽快感があって、Camel 風でもあり Genesis 風でもあるようで、所々現代的なポンプ的な所も顔を出したりしてなかなか多彩で、繊細な所もある好作品です。カラフルなキーボードもいいですね。

(1998年に書いたレビューに加筆)