武田理沙 / Pandora

Twitter ですごいと書かれていたのでちょっと聞いてみたのですが、これはすごい。的確に表現するボキャブラリーを私は持ってないので「すごい」としか言いようがないくらいすごい問題作😅

ジャズ・ピアノですごいヤツかなとか思ってそういう先入観で聞いたのですが全く違いました(なんでそう思ったのかは忘れた)。そういう入り方だったので「上原ひろみのデビュー作を聴いた時くらいの衝撃」と思ったのですが、良く考えるととってもズレた感想ですね。あちらは最初の音が出た瞬間からプログレ感たっぷりのノリで一気に持っていかれる感じですが、こちらは一曲目は静かに始まるのでそういうこともなし。しかし聴き進めるうちに「これはとんでもないヤツを聴いてるぞ」ってなりました。

“Pandora” というタイトル通り、パンドラの箱を開けたかのように色々飛び出してくる感ありますね。CD だと 2 枚組のたっぷり構成。曲はまさに「この先何が出てくるかわからない」という感じで進んでいきます。ジャズ、プログレ、ジャズロック、テクノ、ハウス、クラシック、エクスペリメンタルと色々な要素が曲ごとに違いますし、曲の中でもいきなりがさっと変わるところもあります。

そういうわけで、ちょっと聴いて「違うなあ」と思っても、一度は最後まで聴いてみる必要があるアルバムだと思いますね。なので「トレーラー」での紹介もちょっと違う気はするけど、でも曲の迫力とかは感じられるし、全部聴いてみようという気にはなりますので貼り付けました。いや、聴け。それくらい CD 1 枚目と 2 枚目では違いますし(曲名も 1,2 枚目でアルファベットと日本語で違いますね)、曲によっても全く違います。CD 2 枚なので長いですけど。

そして体力気力を整えて、しっかり準備してから正座して再生を始める必要があるほどのパワーで迫ってきます(とか言ってたらいつまで経っても聴けないのでそうでなくても聴くと良いですよ😂)。

ご本人の Tweet とともに感想を書いてたら、公式ページにご本人のセルフライナー載りました。そっちをご覧になると良いでしょう。

せっかくペタペタと Tweet 貼り付けて書いたのでとりあえずそっちも残しときますw

1 曲目は次の曲へと続くようなイントロ的な曲。そのまま 2 曲目の静かな前半へ。静かな部分のピアノの幻想的な静かさと、盛り上がる部分の流れるようなジャズロック的な対比が美しい。「印象派音楽」ってのは私はよくわかりませんw

そう言われるとチープに演奏したクラシック感ありますね。メロディに重なるように入る効果音みたいな色々な音がチープの中の豪華みたいな感じで面白いです。

クールなジャズロック風の雰囲気を漂わせるポストロック的な曲(ポストロックそんな知らんけど😅)。テクノよりはそんな感想を持ちました。

テクノ的な曲。色々な音が楽しそうに積み上げられてる感じがいいですね。

これはクラシック的な曲でなんかすごいですね。音数以上に感じるスケールの大きさがすごい。シリアスなシンフォニックロックという感じ。After Crying の一番スケール大きい感じの頃に似た迫力を感じますね。大作。

この曲は実は最初聴いたあとは印象に残ってなくて、再度アルバムを通しで聴いた時に「あれ?こんな爽やかな曲あったっけ?」と思った曲。序盤の静かで美しい部分から、3 分すぎくらいに急に爽やかな少し ソウル風味フュージョン風の気持ち良い曲に。ピアノ・ソロはジャズ風。前の曲を聴いた疲れを癒やしてくれそうw

いきなり暴力的なカオスで始まります。確かにこらえきれないものが噴出してる感じ、吐瀉物ですね😂 後半のチープなピロピロした感じのポップなメロディとの対比が嵐が去って落ち着いていながらご機嫌な感じを表してるのでしょうか😂(違

Area の “La mela di Odessa (1920)” の出だしを感じさせる冒頭(冒頭だけなんですけどね、感じるの)。その混沌を抜け出して出てくるのがまたまたチープで軽快な音が跳ねるようで楽しいです。

いきなり暴力的な混沌で始まる曲。こういう混沌は大好きです♪ この混沌を抜け出した後、ちょっとコミカルでチープな感じのする曲調に変化するのですが、その間をつなぐ静かな部分からコミカルに変化するところがなんかいいです。しばらく聴いているとそのままのノリで混沌へ逆戻り。

ちょっとオリエンタルな雰囲気の幻想的な曲。後半ゆっくり盛り上がっていきます。

ドラムソロっぽく始まりますね。その後重なるキーボードも確かにドラムに乗っける感じで即興的で実験的な感じがします。

この曲もオリエンタルな感じでくねくねと始まりますね。

EL&P っぽいスピード感あふれる曲。最後の方、混沌としながらもブルースなのおもしろい。

この曲は美しくて好きです。冒頭部分は Kenso を感じますね。革命前夜の慌ただしさと嵐の前の静けさが交互に現れてるのでしょうか(←テキトーな想像)。ドラマチックな感じのする美しい部分もあって良いです。

ゆったりとしたテンポで淡々と、でもしっかりと歩むように最後に向かって進んでいく曲。ゆったりとしたテンポがさらに迫力を増してる感じがしますね。強力な圧力を感じるのに静けさも感じます。

 

Soft Machine Farewell Japan Tour @ Billboard Osaka

Member

  • John Etheridge(Guitar)
  • Theo Travis(Saxophone, Flute, Fender Rhodes)
  • Roy Babbington(Bass)
  • John Marshall(Drums)
  • 【Special Guest】
    • Gary Husband(Keyboards)

前回(3 年前)、Soft Machine Legacy のときは、当初 John Marshall の予定だったところ、健康上の問題だったか忘れましたが、急遽 Gary Husband になって残念(演奏は素晴らしかったんですよ)、もう John Marshall 観れないかなと思っていたら、びっくり今回来日ということで、これはもう行くしかないと思って予約した Soft Machine に行ってきました。名前も今回 Legacy が取れて Soft Machine ですね。

Soft Machine は「プログレ」を色々聴き始める前から聴いていたグループのひとつなので特に思い入れのあるグループのうちのひとつですね。

当初は良く知らなかったのですが、今回で John Marshall、Roy Babbington は最後の来日(引退?)ということらしいので、今回観れて本当に良かったです。

1 曲目、9 月リリースの新譜の曲で始まりました。その後、Gary Husband が出てくるまでは、70 代の老人 3 名いるバンドとは思えない(失礼)アヴァンギャルドでプログレッシブな演奏だった気がします。1, 2 曲目が新譜の曲、3 曲目 Soft Machine Legacy の曲のあとは、”Kings and Queens”。

ここで Gary Husband が登場してピアノをソロで演奏したあと、5 名での演奏に。

このあと辺りで “Out-Bloody Rageous” を演奏。おお、結構昔の曲やるやん!と思ったら、新譜にも入ってるみたいですね。

https://www.youtube.com/watch?v=6UE-yhNPHYs

Gary Husband が合流したあとはクールで格好良いジャズ・ロックという感じの演奏が続き、アンコールは楽屋に引っ込まずステージを降りた辺りで引き返して “Hazard Profile” を!

John Marshall はステージに上がるまでは人の良さそうなおじいちゃんという感じでしたが、ドラム叩きだすと背筋がシャキーンと伸びた感じでキレもありすごかったです。今回最初で最後に観れて本当に良かった。Roy Babbington のベースも目をつぶって聞いてたら絶対もっと若い人が弾いてるとしか思えない演奏でしたし、John Etheridge も昔通りのゴリゴリしたスピーディな演奏。

満足のステージでした。

セットリストはこちらのツイートにありました(文字判別しづらいw)。

https://twitter.com/KazukiAyers/status/1024321308580966401

なお、新譜はこの日売ってたみたいですけど買ってないので、収録曲はこちらを参考にしてます。

FRUE ~Universal Music Japan Tour~ feat. Hermeto Pascoal e Grupo @ Shangrila

Hermeto Pascoal はアルバム数枚聴いただけで、しかも一番新しいのは 1992 年のという素人ですが、たまたまライブの情報を目撃したので行ってきました。会場は梅田のシャングリラ。キャパは 400 名程度って話ですし、たぶんそれくらい来ていたのかと思います。とにかく開演時間には会場はすし詰め状態(は言い過ぎか)に近い状態でした。

ステージ上にもやかんが置かれていたりと、始まる前から期待させられるものでした😂。

詳しくないのでセットリストとかの紹介はナシです。

会場の照明が消えて、まずは Hermeto Pascoal がひとりで、ワインボトルを持って登場したので、飲むのかと思ったら :-p それを口に当てて笛のように吹き出しました(↓1枚目)。😂しばらくすると他のメンバーも全員がビール瓶などのビンを持って登場して(↓2枚目)、全員で笛の演奏でした。という笑えるオープニングで最後まで一貫して楽しいステージでした。

曲はジャズ色の濃い曲から、ラテン系の曲、混沌としたアヴァンギャルドな曲まで色々。ステージ上のパスコアルも楽しそうに遊びながらすごい演奏を繰り広げてるという感じでしたね。特に Fabio Pascoal のパーカッションは本当に色々な音色がバラエティ豊かで混沌とした音の洪水の中からでもすっと入ってくる感じで良かったですね。

たくさんの音が複雑に重なり合って、その音を織り込みながらカラフルなサウンドが生み出されるという感じでした。たっぷり2.5時間程度、笑いながらすげー音楽を堪能できて良い経験になりました。

(↓2枚目はやかんで “Round Midnight” 演奏中)

(写真が全体的にピンボケっぽいのはご勘弁。暗いところから明るいステージをスマホで撮影なので)

メンバー

  • Hermeto Pascoal E Grupo
    • Hermeto Pascoal (keyboard, accordion, teapot, bass flute, his skeleton, cup of water…)
    • Itibere Zwarg (electric bass and percussion)
    • Andre Marques (piano, flute and percussion)
    • Jota P. (saxes and flutes)
    • Fabio Pascoal (percussion)
    • Ajurina Zwarg (drums and percussion)

(セトリやその他情報見つけたら追記します)

Chui / Third Sun From The Stone

キーボード、サックス、ドラムスからなるクロアチアのバンドの 3rd らしい。2015 年作。

硬派でかっこいいジャズ・ロックサウンドですが、結構曲によって雰囲気が違っていて、シンフォ的だったり、アヴァンギャルドなジャズ的だったりします。リズムは結構ミニマルな要素が強い部分が多く、クラブ的な超硬派かっこいいジャズ・ロックといったところです。

https://www.youtube.com/watch?v=iQSnDd1GZ3o