Er. J. Orchestra / Gabrielius

(こちらもウクライナの良作プログレなので再掲です)

ウクライナのグループの1st、1998年作。

出だしから Pat Metheny + Jan Garbarek と言った雰囲気ではじまるウクライナのフュージョングループです.とは言っても、それだけの言葉では語れない繊細で美しい音楽です。

ライナーのメンバー紹介が読めないので、どれだけのメンバーと 楽器が参加しているのか分からないのですが、結構たくさんの楽器が演奏していると思います。しかし、参加楽器全部が一挙に演奏して重厚さを出すと言う感じではなく、いくつかの楽器で繊細で美しい演奏を聴かせた後に、コロッと楽器編成が代わってまた美しい演奏が続くという部分も多く見られました。

例えば、出だしが民族楽器 (?) ではじまるエキゾチックな感じの 演奏で、途中からピアノやリコーダーによる美しい演奏に移行すると いう曲がいくつかありました。そのエキゾチックさとその後の美しい 演奏の変化が、意外な感じをあまり与える事なく、しかし曲がだらだらとした演奏になるのを防いでいるような感じもします。

ヴァイオリンは独特な演奏で、リコーダーが叙情的な雰囲気を良く出しているが、ピアノの美しさとサックスの透明感ある美しい演奏 (Garbarek 的) が印象的です。

全体的に叙情的で非常に美しい曲が多く、それにエキゾチックな雰囲気がオリジナリティを与えています。演奏レベルも文句なしで、満足の一枚でした。

(1999年に書いたレビュー)

Maryson / On goes the Quest (Master Magician II)

Thijs van Leer がフルートでゲスト参加しているネオプログレ系シンフォバンドの 1998 年作 2nd。確か同じタイトルで絵本だったか本があり、それに対応したコンセプト作だったと思います。

叙情的でポップなメロディと伸びやかなギターが特徴的で気持よく聴けます。Pendragon 辺りが好きな人にはおすすめ。

Vlatko Stefanovski Trio / Vlatko Stefanovski Trio

Hard Rock、Fusion、Jazz Rock、Folk、Trad が混然一体となって迫ってくるマケドニアの Leb I Sol のギターリストによるトリオ。印象的なのは、テクニカルなハードロック的な曲をバルカン or 地中海フレーズを炸裂させながら弾きまくるインストの曲ですね。ボーカル曲も数曲ありますが、独特な味があります。好き嫌いはわかれそうな曲ですけど.

バルカン色のあるハードな曲以外の独特な雰囲気のある曲や、美しい曲も合って、なかなか面白いアルバムですね。MIDI ギターによる演奏も良い味付けになってます。

Rumblin’ Orchestra / Spartacus

キーボードを中心としたクラシカルロック。男女混成の合唱団がキーボードによるオーケストラ的演奏に重なり、音に厚みを与えます。時折入るフルート等が優しい感じを醸し出します。

軽快で明るいさらっと流れていくクラシカルロックで、クラシック系ロックによくあるような重厚な感じや、After Crying のような重苦しさはありません。After Crying を超える出来、と前もって聞いていたのですが、確かに After Crying レヴェルの完成度はあります。ただ、スケール的には、Runblin’Orchestra の方がコンパクトな感じがします。ポップな感じもあるかな。明るい感じは途中の男性ボー カル入りの曲に顕著で、ここら辺りの曲は明るい感じのポップなロックという感じでしょうか。後半は多少中世音楽的要素がミックスされ た感じの曲があって、明るいだけの曲ではなくなりますが、軽い感じは抜けません。軽いとは言っても、音には厚みがありつつ軽快な感じがするということで、ぺらぺらの音ということではありません。:-)

キーボーディストはキース・エマーソンの影響も受けているよう で、それは特に後半の曲に感じられますが、やはりエマーソンよりは軽いです。

高い完成度を持つクラシカルロックですね。

(昔書いたレビュー)