VIII Strada / La Leggenda Della Grande Porta

イタリアのバンドの 2008 年デビュー作.

少しメタリックな雰囲気を漂わせた,非常にイタリアっぽい匂いをプンプンさせたバンドです.Deus Ex Machina や D.F.A. 等のテクニカルなバンドに共通するようなカチッとした演奏に,イタリア語による情熱的なボーカル,泣きのメロディも交えながらも,プログレ的なヒネリを加えた演奏が特徴です.

畳み掛けるように迫って来る所,叙情的に美しく流れる所が交差して,メリハリの付いた構成です.一曲の中でも色々な展開が楽しめる,非常にオススメの一枚.イタリアンプログレの新星あらわる! と言った感じですね.

Clearlight / Infinite Symphony

2003年作.

Symphony, Symphony II と同じテーマで, これが究極の出来とい
うことでしょうか. 確かに以前気になったような部分はなくて, すんなり良い出来だなあと思える作品に仕上がってますね.
Cyrille Verdeaux もインタビューで「頭の中にあったイメージに
近づいた」「前作の延長線上にあるものでなく本物」と言っています
が, その通りのように思います.

独特の浮遊感を持つシンフォ的な側面とギターやサックスの
Fusion 的なソロのスリリングさが同居しています. 音は全体的にや
わらかい感じで, 以前よりもよりエモーショナルで人間味が増してい
るような気がします.

Didier Malherbe も参加.

(2004年に書いたレビュー)

Atoll / Illian, J’entends gronder la Terre

Illian: J’Entends Gronder la Terre
Illian: J'Entends Gronder la Terre Christian Beya

Musea  2004-01-27
売り上げランキング : 681075

おすすめ平均  star
star再再結成アトール

Amazonで詳しく見る by G-Tools

前作から 14 年の間隔を開けてリリースされた 2003 年作.

前半はプログレとは言えないが高品質なロック. フランス語のボー
カルが独特な雰囲気を出しています.後半はシンフォ的な風味をプラ
スしたサウンド.全体的に大規模な曲はないのですが,緻密な演奏と
ギターによる伸びやかなシンフォフレーズにより,実際以上にシンフォ
的な印象が強く出ています.

緻密な演奏は前後半を通じて言えることで, 安定した演奏で安心
して聞けるところはさすがです.ネオプログレ系のような派手さはな
く,どちらかというとこじんまりした曲にも関わらず,シンフォ色が
出せているのは, その緻密さとシンフォ的なソロを取るギターの安定
感のおかげかもしれません.

(2004年1月に書いたレビューを一部修整)

Asia Minor / Between Flesh and Divine

Between Flesh and Divine
Between Flesh and Divine Asia Minor

Musea  2001-01-01
売り上げランキング : 274410

おすすめ平均  star
star傑作と言って良いでしょう
starトルキッシュプログレの最高峰

Amazonで詳しく見る by G-Tools

時には叙情的に静かに,時には情熱的に激しく曲が進行する 81 年の 2nd .フルートの音色も美しく物悲しく,激しい部分でも叙情 的な感じをたえず漂わせながら演奏されます.メロディも演奏も少し も古くさくない現代的な感じで,1st に比べても少しあか抜けた感じ がします.1st に比べてはテクニカルな部分が陰を潜め,叙情的・情 熱的な所が表にでてきた感じがします.とは言っても,だいたいにお いては 1st のイメージを継承しています.

こういう少し激しく情熱的 (コテコテではない) なメロディ (特 にギターなんか) は日本のフュージョンにも通じるところがあって, 日本人好みではないでしょうかね.Snow Goose 時代の Camel をもう少し情熱的に激しくしたような感じです.フルートが中 心の静かな部分は Camel っぽいです.

(昔書いたレビュー)

Asia Minor / Crossing the Line

Crossing the Line
Crossing the Line Asia Minor

Musea  2001-01-01
売り上げランキング : 379630

Amazonで詳しく見る by G-Tools

フルートの演奏が特徴的なフランスのバンド Asia Minor の 79
年の 1st アルバムです.

少し Jazz 的な雰囲気を漂わせている叙情
的なロックという感じです.とは言ってもあまり叙情的な所が目立つ
わけでもありません.フルートが少しジャズ的に時には激しく,時に
は静かに奏でるメロディが印象に残ります.ギターも特徴的.2nd に
比べて曲の構成・展開が複雑でテクニカルでハードな印象も受けます.

(昔書いたレビュー)