ФСБ (FSB) / II

Fsb

ブルガリアの大御所バンドの 1979 年 2nd.

1st より若干大作指向です.冒頭喜太郎などのシンセミュージック的な雰囲気でシンフォロック的に徐々に盛り上がって行くあたりはプログレを感じさせます.メロディはポップでシンプルながら,そこはかとなく漂うクラシカルな感じ,インスト部分に漂うジャズ色と確かなテクニックでの演奏,音楽的にはあまりプログレ的でないながらもプログレを感じさせる音楽になっています.

あとの音楽性につながるポップで明快で分かりやすい所を持ちながらも,チープにならずに高貴な雰囲気すら漂わせているところがすごいですね.

M.Efekt (Blue Effect/Modrý Efekt) / Svet Hledacu

Mefekt6

チェコのジャズロックバンドの 6th,1979 年作.

初期は東欧の抑圧された情熱がほとばしる熱いジャズロックでしたが,徐々に洗練された円熟味の増す演奏になり,このアルバムでは,ハイテクもハイテクと思えない程度の洗練さで,メロディアスな歌ものフュージョンを聴かせるアルバムに仕上がっています.

とは言え,ギターはフュージョンというよりはロック・ブルース色濃く突っ走りますし,Oldřich Veselý の独特のハイトーンボーカルが東欧の熱さを感じさせてくれます.曲もプログレ的に展開しますし,ソロパートは熱く盛り上がります.熱さと洗練が同居する,完成された東欧ジャズロックです.

ボーナスが 6 曲ほど入ってますが,そちらはポップス.

XL / Jukola

Jukola
Jukola Xl

Pohjola 2009-08-04
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フィンランドのバンドの 1998 年作 2nd?.Midi Vibe をフィーチャーした現代的な音のするフュージョンで,結構不思議な雰囲気の音楽に仕上がっています.

打ち込みやゲストミュージシャンの使い方も効果的で,より一層魅力的な曲になっているように思います.北欧独特の透き通るような雰囲気も あります.Michael Brecker 参加の曲は Brecker 一色になっているように思いますが,曲もすばらしいです.曲ごとに何かをしようとしているのが感じられ,バラエティに富んでいるので,幅広く聴く人にはピッタリでオススメです.

(1999 年に書いたレビューに加筆・修正)

Synkopy & Oldřich Veselý / Sluneční Hodiny

Synkopy – Slunecni Hodiny
Synkopy - Slunecni Hodiny Synkopy Oldrich Vesely

Bonton
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旧チェコスロバキアのバンドの 1st.前身は Synkopy 61 という (個人的には) プログレじゃないなあと思えるバンドで (ただし,ユーライアヒープとかカンサスのカバーやってます),そこに Oldřich Veselý というキーボーディストが加わったバンドのようです.この後のアルバムは単に Synkopy となっていますね.

東欧独特のゴリゴリした雰囲気の曲調,独特の影のあるハイトーンヴォイスによるコテコテなボーカル,歴史を感じる時折ピコピコと前時代的な音を出すアナログシンセの音,テクニカルだけど独特のエッジの立った感じであか抜けない感じのギターで,シンフォニックロックの王道を行くような曲を一気に演奏している感じです.このゴリゴリ感のあるあか抜けないテクニカルさで強引に突っ走る感じが東欧独特でたまりません.

XL / Live Ballet

Live Ballet
Live Ballet Xl

Pohjola  2009-08-04
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XL 4 作目のライブアルバム.2001 年作.ライブではよりイキイキと先鋭的なサウンドを演奏しています.スタジオ盤以上に近未来的な雰囲気と鋭さと躍動感が溢れていて,まさにこれからのフュージョンの方向性をも表しているようにも思えます.
Pekka Pohjola, DJ, ストリングスもゲスト参加しています.
一聴すると典型的なフュージョンの雰囲気は感じられませんが, よく聴いているとあくまでベースはフュージョンなんだなと感じさせ られます.

(2001 年に書いたレビューに加筆)