チリのバンドの 2007 年作.
チリによくあるクリムゾン系のジャズロックですが,パーカッションが印象的で,土着的で妖術的だったりします.同傾向のバンドに比べると,フリージャズ,ジャズ色が濃いような気がしますね.ボーカルも呪文のような妖しげな所があったり,時にはフォーク( フォルクローレ?)のようであったりします.
時折,南米ロック的な哀愁が漂うような気がするのは,言葉のせいかもしれません.他に,ザッパっぽい所があったりと多彩です.
聴き込むうちにかなり気に入ってきた一枚.
1978年の唯一の作品.
この時代の中南米ではどちらかというと異色な感じのするサウンドです.フリージャズ,クラシック,アヴァンギャルド風の要素が渾然一体となって迫ってきます.管楽器の分厚いサウンドが印象的.最近はチリ方面からクリムゾン系のヘヴィなサウンドのバンドが結構出てきてますが,それと共通する点もありながら,一線を画するオリジナリティがあります.
出だしはクリムゾン+Sun Ra 的な雰囲気で,この手の雰囲気のまま行くのかと思ったら,シンフォニック的なサウンドが顔を覗かせたりもします.
ヘヴィな分厚いサウンドを一分の隙もなく演奏していくという感じで,演奏力,曲,アレンジ等,すべてに渡って中南米トップクラスのアルバム.今聴いても全く古さを感じません.
アメリカのプログレメタルバンドの 2007 年作.
とは言え,メタルという印象はあまり強くありません.武骨で硬派な感じがするからでしょうか.流れるような演奏ではなく,どちらかというとタテノリの演奏ですね.唐突に曲が終わったかと思うと,急に曲調が変わって演奏がスタートする辺りの展開方法が良いですね.シンフォ的というか壮大に曲が展開していく感じ,コンセプトアルバム的なスケールの大きさもあったりと,武骨でテクニカルなプログレメタルという表面の奥に色々な要素を含む感じ.
出だしのボーカルはデスかな,とちょっと思いましたが,どちらかというとよく通るテノールのようなエエ声のボーカルですね.
最近結構気に入ってかなりの回数聴いてます.
2005年末以来2年弱ぶりの最新作はライブ盤.
ここ数年のライブの良いテイクのものと,再発リクエストの多い初期アルバム収録の曲が入っているのがウリとのことです.
確かにちょっと懐かしいフュージョン全盛の時代という感じの曲が爽やかで印象的です.それにプログレ的な代表曲 "Another Encounter",ジャズロック的な代表曲 "Jazz It" ,プリズムを彷彿とさせる静かに盛り上がっていく "The End of Tears" という Side Steps を代表する名曲を盛り込んだファン必需のアルバムです.:-) 昔懐かしいフュージョンというだけだと,数回聴いただけで聴かなくなりそうですが,それだけで終わらないのはさすがです.
ここ数年ライブには行ってないので,外しているかも知れませんが,以前よりは (Side Steps にしては) シンプルで,若干タイトな雰囲気がするような気がします (録音の加減からそう聴こえるだけかも?).
| Conquest of the Pacific | |
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Oaksenham
Musea 2007-10-09 |
アルメニアのシンフォニックプログレの 2006 年作 (2007年リリース).
フルート,ヴァイオリンのほか,ゲストでオーボエやクラリネット等も加わる正統派シンフォという感じ.Gentle Giant の影響が強いと評されていますが,私は GG は聴いたことないので,なんとも.(^_^;)
クラシカルなシンフォプログレで,やさしい感じの雰囲気ながら,小刻みなフレーズでスリリングな色もあり,少し不思議な感じ.メロディの美しさ,やさしさと,構築美,複雑さが同居した名作.
一つ間違えば,インストのクラシカルな BGM 的になる所を,スリリングさ,複雑な感じで押し止めていますね.
今年買った中でも上位に入る名作かなと.