XG / THE CORE – 核

(昨日、もっとしょぼいレビューを書いたのですが書き直しです)

XG 初のフルアルバムということで、活動曲を単独で聴くよりも、トータルで聴いたほうが、また違う視点で聴ける気がします。

公式サイトにはアルバムについて

XGの初となるフルアルバム「THE CORE – 核」は、グループの最も深い本質を刻み込んだ宣言である。
トレンドや装飾を超えて、音楽と存在の根源に焦点を当てた。

アルバムはジャンルの境界を自由に行き来し、さまざまな時代や空間をつなぐ旅を描き出す。
しかし、そのすべての変化の中心には、揺るぐことのないXGのアイデンティティと独自のエネルギーが確固として存在している。

「THE CORE – 核」は、それ自体がXGが創り出す新たなジャンル、 X-POP の宣言である。
「良い音楽はそれ自体で価値を持つ」という信念のもと、時間や空間、時代を超越する真の音楽的旅路を表現した。

これは、今のXGを最も率直に映し出した成果であり、これから無限に広がる可能性へと向かう力強い出発点でもある。

と書かれています。たしかに「ジャンルの境界を行き来」するように曲が変化していき、トータルとしてのアルバムとして聴くべきというメッセージのようなものも感じます。「新たなジャンル」というのは言い過ぎに感じますが、それでも「時間や空間、時代を超越する真の音楽的旅路を表現」というのはわかる気がします。

1 曲目から順に聴いていきましょう。とは言っても、1 曲目は本当にイントロですので、そこから 2 曲目に自然に入っていくところが良い感じです。

1 曲目 “GALA” は、なかなか女性グループの作品としては異質な感じがします。もちろん、印象的なラップや、力強いドラマチックなメロディのボーカル部分はあるんですが、XG 自体が脇役のような、XG が前面にでている所以外が中心のような、歌手ではないテクノアーティストのサウンドに聞こえなくもないです。

音楽的にはハウス的に淡々と刻まれるリズムで、XG 自身のヴォイスも楽曲自体の一部のパーツのような、サンプリングされた音に近いような扱いな気もします。

アンビエントサウンドのような要素もあり、音楽に身を任せると、浮遊感につつまれる心地良さを感じます。

XG が前面に出なくても、アルバムトータルとしてのサウンド、空間、主張が引き出せれば良いという彼女たちの自信みたいなものすら感じる曲です。とても上質なダンストラックです。

個人的には、抑えたミニマル調のハウスサウンドは好きなので、かなり好きな曲です。

1 曲目 “GALA” から 2 曲目 “Rock The Boat” へは自然な流れで変化しているような感じです。

内面的な浮遊感から、より現実的、肉体的なダンスへの変化が、大きく変化することなく自然につながって始まっているような気がします。これは、大きくテンポが変わることなく、印象的な低音が継続しているようなところ、クールなところが連続性を感じさせる所でしょう。

その中でも、より弾むようなパーカッシヴな感じが出てきて、タイトでエネルギッシュに踊る感じも出てきます。より XG が前面に出てきているところが、1 曲目で抑えたことでより強調されている気がします。

2 曲目でだいぶ身体が温まったところで、3 曲目 “TAKE MY BREATH” の盛り上がりの準備が整った気がします。”TAKE MY BREATH” は、一気に直球のダンスミュージックに舵が切られます。R&B 色が強くなり、流麗なレトロなディスコサウンド感が強い曲です。個人的にかなり好みの曲です。

“ROCK THE BOAT” でリズムに乗り始めた身体が、一気に華やかな世界に解放される感じです。1〜2 曲目で共通していた強力なベースラインは継続していて、テクノから、一気に人間らしさが注入され、グルーブを維持したまま一気に曲調が華やかになり、盛り上がる感じです。

流麗なディスコサウンドでありながら、XG らしいエッジの効いた所も維持されているところがさすがです。

“TAKE MY BREATH” で一気に盛り上がったのですが、私たちの見せたい世界はこれだけではない、と言いたげに、最高潮に達した熱気を次の “NO GOOD” でクールダウンさせてきます。この後を期待させる一休みの踊り場的な曲ですね。

R&B 的なノリはそのまま残しつつ、華やかなパーティーの場から、その後の静かな夜の静けさを表現しているようです。エモーショナルで伸びやかなボーカルから、ちょっと気だるい感じで訴えかけるようなボーカルに変化していますね。

ここで一度クールダウンしたところで、次への期待が高まりますね。

そして、活動曲である “HYPNOTIZE” へ入っていきます。一度クールダウンした身体をここで再度盛り上げてきます。とは言っても、”TAKE MY BREATH” とは違って、機械的で無機質な感じをより強調して盛り上げていく感じです。ただ、R&B 的な要素も完全に捨てるわけではなく維持しながらなので無機質に完全に振り切らない所が、一度エモーショナルに盛り上がった余韻でしょうか。

肉体の覚醒というよりは、サイバーで無機質な感じの高揚感です。盛り上がりつつもクールな感じな抑え方があり、全曲から続くダークな夜の静かな雰囲気が継続しています。肉体の高揚というよりは、システムがフル稼働している感じでしょうか。夢の中で覚醒させられている感じ。よりデジタルなノリ感があります。心地良いグルーヴは “TAKE MY BREATH” と共通していますね。

角が取れた流れるような感じと、R&B 的な特有の粘り感が気持ち良い好みのサウンドです。

サイバー空間で盛り上がった “HYPNOTIZE” のあとは、再び “UP NOW” でクールダウンです。そして、テクノサウンドよりも、より XG の歌、ラップが前面に出てきた気がします。

無機質になったところを、クールダウンさせつつも、より XG 自身の温かさというかぬくもりを感じさせる曲です。落ち着いていながらもかっこいいですね。XG 自身の魅力を押し出すような感じで、それが感じられる曲ですね。

ここで再度クールダウンしたあとは、起承転結の「転」とも言える変化があります。いきなりイントロでロック的なギターリフがガツンと来ます。静から動への衝撃的な変化がガツンときます。

ここでロックサウンドが導入され、ロックビート+ラップという感じに変化します。XG 自身の魅力を前面に押し出すような姿勢は、”UP NOW” から継続です。

ヒップポップ的なエッジとはまた違う、ロック的なエッジの効いた叩きつけるようなボーカルが、強力に彼女たちを前に進めていくようなパワーを感じます。”HYPNOTIZE” で無機質に行ったのを、”UP NOW” に続いてさらに有機的なサウンドに戻します。エモーショナルなエネルギーを感じますね。

ロックサウンドでパワーを感じさせた後、どのように展開するのかと思ったら、意外な展開!ロック的熱狂から一気にアコギによるバッキングの上でだるさを感じる、それでも強い意志を感じるような曲 “4 SEASONS” が出てきます。

“UP NOW”、”O.R.B” で前面に出てきた人間味のあるボーカルをより強調するように、楽器を極限まで削ぎ落として、素の XG のボーカルの力を提示してきているように思います。

無機質と有機質の間を行き来しながら、XG 自身の素の魅力を前面に出して、自分たちの素の姿を見せようとする意思を感じます。いろんな旅を経て、自分の部屋に帰ってきたような安心感も感じますね。

このあとに収録されている “PS118” は、メンバー JURIN のソロデビュー曲みたいですね。最後にこれを入れてくるのは、ある意味余韻を感じさせながらも、次への期待をもたせるような意図があるのでしょうか。曲的には私の好みではないのですが、なんか次への期待が感じられます。

初期の XG はエッジが効きすぎているような感じがして、個人的な好みからは外れていたのですが、最近徐々に好みに寄ってきているようで、次が楽しみです。