4th アルバム.1st はクリムゾン系の強迫的なジャズロックでしたが,作品をリリースする度に,贅肉を削ぎ落とし,一つ一つの音を鋭利にしていくという感じで進化してきました.
この作品はもうジャズロックというよりは,フリージャズという感じで,最小限の音から鋭い音が攻め込んできます.ベースの音が印象的です.
全 16 トラック,全て即興という意味なのかな? 全て "Approximatio" という曲なのかな? 曲目らしきモノが載ってません.
アメリカのコンポーザー/ギターリストの Kimo Williams を中心としたバンド (?) の作品.1990 年の作品のようです.
Kimo Williams という人の事は全く知らなかったのですが,このアルバムには参加メンバーとして Kenwood Dennard, Victor Bailey, Mike Stern, Vinnie Colaiuta 等が参加しているということで買ってみました.
1990年作ということで,時代を感じさせる音なんですが,ゴージャスなフュージョンという感じで良いです.ベトナム (?) 戦争をテーマにした (?) コンセプト作品のようで,シンフォニック的な所もあり,なかなかスリリングな出来です.
アンステイブル・マター | |
スペイスト・アウト
インディペンデントレーベル 2006-07-25 |
2006年作の4thアルバム.
基本的には前作までのハイテクジャズロック路線を踏襲しているが,今作は若干メロディアスな方向に振れているような気もします.以前まではテクニカルの方に比重が乗りすぎて,メロディが掴みにくい感じがしましたが,そんなこともないような気がします.
非常に鋭利な音楽で,切味の鋭い剃刀のようなイメージです.邪悪な感じとかはなくて,非常にドライで鋭いという感じですね.若干クリムゾン的な味わいも出てきました.
(Sic) | |
Alex Machacek Featuring Terry Bozzio
Abstract Logix 2006-08-15 |
バンド McHacek 名義の "Featuring Ourselves" で驚愕のデビューを果たし,その後 Terry Bozzio と bpm や Out Trio で活動している Alex Machacek の初のソロ作品です.
"Featuring Ourselves" 路線を期待している人も大いでしょうが,このアルバムは最近の活動の路線 bpm や Out Trio と同様の路線です.Terry Bozzio は 3 曲参加とのことですが,全曲に参加しているんじゃないの? と思えるような,ギターとドラム(打楽器)が音楽の骨格を作っている音楽です.
ドラム,パーカッションとギターによる,語りかけるような音楽と言った感じでしょうか.ただ,ギターリストのソロ作品ですから,bpm や Out Trio よりはギターが前面に出ており,言葉を語っているようなパーカッシブな演奏と,流麗なギターの同居が良くバランスしており,面白い作品に仕上っていると思います.女性ボーカルをフィーチャーした曲もあったりと,Out Trio 等とは明確に異なる部分もありますが,基本的にはそれらの延長線上にある音楽です.
bpm を最初聴いたときは,"Featuring Ourselves" 路線を期待していたので,ガクッと来ましたけど,bpm のライブ(海外のラジオ録音で未発売)や Out Trio で演奏もこなれたのか,私の耳も慣れたのか,結構面白い音楽と感じるようになっているので,このアルバムも楽しんで聴けています.