Dun / Eros

Eros
Eros Dun

Soleil  2006-01-03
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1981 年の自主製作の作品らしいです.攻撃的なロックです.全体
的に重厚感のある音に,ちょっとヒステリックなフルートと跳ねるよ
うなマリンバが絡み,非常に特徴的な音楽に仕上がっています.

全体的に内省的でクリムゾンのような攻撃的な雰囲気に,レコメ
ン系のようなちょっとユーモラスな感じさえあたえる変拍子のリズム
が混じったような感じで非常に面白いです.

ボーナストラックが 4 曲入っていますが,こちらはちょっと雰囲
気が変わって,変なフレンチジャズと言った感じで,不安定なフルー
トとリズムにサックスが絡み,フリージャズの一歩手前のようなジャ
ズを演奏しています.崩壊寸前でかろうじて均衡を保っているような,
フリーの寸前で踏みとどまったシリアスなジャズと言った感じでしょ
うか.ちょっとユーモラスな感じのするリズムはボーナス以外の曲と
も共通しているような気がしますが,こちらはぐっとジャズファンに
アピールするような音楽ですね.ボーナストラックは,1978 〜
79年の録音です.

さすがフレンチプログレ (& ジャズ) と言った感じで,非常に高
水準な音楽ですね.

(2000年9月に書いたレビュー)

TEE / The Earth Explorer

The Earth Explorer
The Earth Explorer Tee

  2009-03-17
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日本のフルート入りプログレバンドの ライヴデモ盤 に続く正式盤1st.Musea/Poseidon からリリースです.

ライヴデモ盤はライヴということもあり粗さもあったのですが,こちらはさすがにかちっと完成度の高い音を聞かせてくれています.サウンド自体は当然ですが変化はなく,フルート入りの叙情的な感じのフュージョンシンフォプログレという所です.

とにかくメロディが美しく,テクニカルでありながら,微かに漂う叙情感が日本のプログレ,という感じでたまりませんね.透明感のある美しく優しい感じのメロディ,フルートとギターの絡みから生み出されるカラフルで美しい感じが特徴的ですね.ギターの伸びやかなフュージョン的な演奏も私好み.:)

Kenso とか PFM なんかのフュージョン色のあるシンフォがお好みの方はオススメの一枚ですね.非プログレファンであるフュージョンファンにも聴いてほしいなと思いますね.

interpose+ / Indifferent

日本のプログレバンドの 2007 年作 2nd.

色々なレビューを読んでいると,基本的にはシンフォプログレということで,そこにジャズ風味がある,というようなレビューもありますね.プログレという枠で括ると,多分そういうことになるのでしょうけど,私の印象は少し違いました.

透明感のある女性ボーカルを前面に出した,シンフォプログレ風の音を出すロックと言った所でしょうか.シンフォプログレ風の音というのは,本当にそれっぽいキーボードの音 (ムーグですか?) がソレで,曲自体は普通のロックという印象です.ソロやインスト部分にこういったシンフォ風の音やジャズというよりはフュージョン的な演奏を織り込んで,透明感のあるボーカルをより浮きだたせ,美しく幻想的な曲に仕上げているという感じです.

私はこういう透明感のある透き通った女性ボーカルが本当に好きで,このボーカルが,日本的で少しドラマチックな,でも内省的だけではなく外へのエネルギーや希望を感じさせる曲を歌う所を聴いていると,本当に感動的な気分になれます.

VIII Strada / La Leggenda Della Grande Porta

イタリアのバンドの 2008 年デビュー作.

少しメタリックな雰囲気を漂わせた,非常にイタリアっぽい匂いをプンプンさせたバンドです.Deus Ex Machina や D.F.A. 等のテクニカルなバンドに共通するようなカチッとした演奏に,イタリア語による情熱的なボーカル,泣きのメロディも交えながらも,プログレ的なヒネリを加えた演奏が特徴です.

畳み掛けるように迫って来る所,叙情的に美しく流れる所が交差して,メリハリの付いた構成です.一曲の中でも色々な展開が楽しめる,非常にオススメの一枚.イタリアンプログレの新星あらわる! と言った感じですね.

Clearlight / Infinite Symphony

2003年作.

Symphony, Symphony II と同じテーマで, これが究極の出来とい
うことでしょうか. 確かに以前気になったような部分はなくて, すんなり良い出来だなあと思える作品に仕上がってますね.
Cyrille Verdeaux もインタビューで「頭の中にあったイメージに
近づいた」「前作の延長線上にあるものでなく本物」と言っています
が, その通りのように思います.

独特の浮遊感を持つシンフォ的な側面とギターやサックスの
Fusion 的なソロのスリリングさが同居しています. 音は全体的にや
わらかい感じで, 以前よりもよりエモーショナルで人間味が増してい
るような気がします.

Didier Malherbe も参加.

(2004年に書いたレビュー)