Björn J:son Lindh / Wet Wings

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1981 年の作品.

北欧らしい透明感のある雰囲気が全編に感じられる作品です.ある程度のバラエティさがあり,フュージョン的な曲から,シンフォニックな雰囲気の曲から,ラテン風のリズムの曲から,ワールドミュージッ ク風まで様々です.

全体的にイージーリスニング的な所もあって,もうちょっとアクが 強くても良いなと感じる所はなくはないですが,良く聴いているとこの バラエティに富んだ所がなかなか面白く,聴きごたえがありますね.

1 曲目は徐々に盛り上がる所が美しいですね.あと,フルートを中心とした曲でもドラマチックな曲があります.

(1999 年に書いたレビューに加筆・修正)

Anglagard / Hybris

Hybris/Digipack+Bonus
Hybris/Digipack+Bonus Anglagard

Alvarsdotter 1993-01-29
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90 年代を代表する北欧のバンドのうちの一つ.1992 年の 1st アルバム.緊張感漂うシリアス系シンフォニック.強弱のはっきりしたぴんと張り詰めた音楽は迫力満点です.激しさの中にも繊細さは失わないところがすばらしいですね.叙情と緊張と激情の均衡.

(昔書いたレビューを加筆・修正)

Blotted Science /The Animation Of Entomology

Animation of Entomology
Animation of Entomology Blotted Science

CD Baby.Com/Indys  2011-10-11
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Ron Jarzombek というギターリスト中心のインストメタルバンドの 4 年ぶり 2nd らしい.

Ron Jarzombek は結構その筋では有名みたいで YouTube でもテクニカルな変態的演奏がたくさんひっかかりますけど,このアルバムもそんなギターを中心とした屈折したパワーとスピード感溢れるインストメタルです.

先にレビューした Animals as Leaders と一聴すると似たような感じですが,こちらの方がよりメタリックなギターな気がします.ドラムがまた音数が多くて,ドラムンベースのように小刻みに叩く所に変態ギターが乗っかると,より機械的なサウンドに聞こえますね.

ちなみにアルバムは 7 曲入りの 24 分ほどのコンパクトなものですが,これだけのパワーと音と変態プレイが襲ってくると,この長さで充分というほどの密度の高さです.

Animals as Leaders / Weightless

Weightless
Weightless Animals As Leaders

Prosthetic Records  2011-11-08
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アメリカのインストメタルバンドの 2nd らしい (1st はバンドというより 1 人マルチ録音だったみたいですが.

出だしがバルカン高速トラッド的な感じが少ししたので,その手の少しオリエンタルな感じの音楽かと思いましたが,その後はギター中心のテクニカルなサウンドです.一聴するとメタルなのかも知れませんが,意外にメタル色は少ない気がします.ギターはもちろんメタリックなプレイの部分もあるのですが,結構フュージョン的なメロディを弾いている所もありますし,メタルとはまた違った感じのメロディアスさがあります.

テクニカルでトリッキーな感じの曲展開に,ポストロックとかとはまた違ったプログレ的な曲のうねりが感じられ,どちらかというとテクノとかに近い感じの金属機械的な所も多く,ドラムもメタリックな感じではあるものの,細かい部分はメタルとは違う感じの叩き方を感じますね.

アルバムとしては短いですが,まあとにかく超絶技巧変態音楽で聴いていて楽しいですよ.

After Crying / Creatura

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8年ぶりの 2011 年作.

しばらくアルバムのリリースもなくなっていたので,活動を停止しているのかなと思っていたら,突如リリースされてうれしい驚きです.

出だしから「キタキター」とうれしくなるような重厚なオーケストレーションで幕を開けます.After Crying というと,ロックというよりは現代におけるクラシック音楽というか,現代音楽的で,重厚などちらかというと内省的な感じの印象が強かったですが,このアルバムはボーカルを強調した外向きの明るいエネルギーを感じるアルバムになっています.クラシック方向の音だけでなく現代の色々な要素の音楽の要素も感じられます.

管弦楽奏者による室内楽的な音やギターによるクラシック的なフレーズの音など,色々な方向性のシンフォニックサウンドを展開します.壮大なオーケストラというよりは,室内楽的なある程度枠のあるスケールの音楽ながらも,スケールの小ささは感じず,ダイナミックな感じのするサウンドですね.

今年のプログレ作品の上位に位置する作品でしょう.オススメ.