チリのバンドの 2006 年作.
6 人編成のインスト中心のジャズロック系のバンドです.イタリアの DFA なんかを想像させるクールで余裕を感じさせるテクニカルなジャズロック系の演奏を中心に,キーボードによるシンフォ系の雰囲気や,南米独特のエモーショナルなボーカルをちりばめた高品質な作品です.ヴァイブが入る所のクールな感じがたまりません.ギターは曲によってはホールズワースっぽい音も出してます.
テクニカルですが,それ一辺倒なハイテク中心ではなく,余裕からくるクールさとシンフォプログレ的な美しさも併せ持つ作品ですね.
Chile
Akineton Retard / Cadencia Urmana
Media Banda / Dinero Y Terminación Nerviosa
元 Fulano メンバーを中心としたバンドの 2nd アルバム.2008 年作.
ジャズを中心に色々な要素を詰め込んだという感じの音.Fulano よりはジャズ寄りのような気がしますが,曲によって,曲の途中でも自在に変化していく様は圧巻.テクニカルという言葉では語れない柔軟さで,自然にさらっと演奏しているようですごい事やってるような気がします.
Fulano 時代からそうでしたが,女性ボーカルの上手さも半端じゃなくて,自在に変化する曲に全く乗り遅れることなく,別の歌手のように色々なジャンルの曲をこなすという感じです.
ジャズだったり,ジャズロックだったり,ザッパだったり,レコメンだったりが自然につながるようにめまぐるしく変化して流れていくという感じで,本当にすごいバンドです.
La Desooorden / Ciudad De Papel
Flotante / En La Agitacion
2006 年の 2nd アルバムとのこと.
チリのテクニカル系ということで,押せ押せで迫り来る前のめり
系テクニカルを想像していましたが,出だしはクリーンなトーンのギ
ターが浮遊感のある演奏をし,ドラムが自在にリズムをコントロール
するジャズロックでした.ドラムは本当にめりはりの利いた,タイト
な演奏でうまいです.
浮遊感のあるギターが魅力的で,コードを弾くホールズワースを
ちょっと思い出したりしました.前半はこのクリーンなトーンギター
とドラマーが自在に曲とリズムを操るという感じの変態ジャズロック
です.
ツインギターで,もう一人は歪んだ音を出すクリムゾンっぽい感
じで,後半はこのギターリストが前面に出る,ノリの良い疾走系ジャ
ズロック中心となりますが,こっちもクリーンなトーンのギターとの
対比がおもしろい味を出しています.