After Crying / De Profundis

賛美歌的な曲でオープニングを迎える After Crying の
4th.前作の路線を継承しつつも,さらに壮大なシンフォニック作品となっています.オーケストラ (というか小さな楽団?)
を迎え,まさにシンフォニックロックという感じになっています.ロックとオーケストラの融合とかではなく,現代におけるロックシンフォニーの形を示したも
のと言えるでしょう.

寸分の隙もなく緻密かつ大胆に展開する曲の数々にはただもう圧倒されるばかりです.

After Crying / Föld És Ég

様々なプログレバンドからの影響を感じさせながらも,その独特な雰囲気で強烈な個性を放っているハンガリーのバンドの 3rd.

出だしは EL&P っぽいクラシカルな曲です.続いてグレゴリオ聖歌っぽ小曲をはさんで,ふたたびはねるような激しいピアノによる出だしでぐいぐい引っ張っていったあと,オルガンも入ります.ジャズっぽいソロを挟みながらどんどん走っていきます.

その後小鳥のさえずりを聴きながら静かなアコースティックギターの演奏でホッとひと休みという感じ.休んだあとはふたたび賛美歌風で気を引き締めま
す.ピアノソロによるクラシッカル+ジャジーな演奏の後,気持ちの良い美しいトランペットによる曲.天気の良い日に早起きしたような爽快さがあります.

その後 静かなシンセの上でトランペットが鳴るマイルスの Bitches Brew 辺りの雰囲気の後急にスリリングでこれぞシンフォプログレと言った曲調に移ります.若干トリッキーな感じの曲の中でおおらかに歌いあげるトランペットが個性を感じさせます.

続いて幻想的なシンセの上で静かにパーカッションが鳴り,朗読のようにボーカルが入る内省的な雰囲気の曲.抑えたパーカッションのプレイがちょっと不気味.

最後は叙情的なフルートで始まり美しく悲しげなピアノが徐々に盛り上げて行きます.ボーカルやチェロ,トランペットも順番に加わりゆったりとしたスピードで盛り上がっていきます.

というわけで,ピアノとトランペットと聖歌風の曲が非常に印象的な非常に繊細かつ大胆なシンフォニックロックの名作と言えるでしょう.

Nemo / Prelude a la Ruine

フランスのバンド.おそらく 4th アルバム.

クラシカルなハードロック色とメタル色とプログレハード色とシンフォプログレ色が合わさったような感じで,ちょっと年代物の音楽を聴いているようでいながら現代の感性で演奏されるロックであるような不思議な雰囲気を持ちます.さらに様々な要素がミックスされているような.

クラシカルなシンフォといった部分が良い感じです.

FSB / In Concert

1985年のライブ.2 トラックで録音されたという話.

ポップで小柄な曲が中心ですが,ちょっとチープなシンセの音がなんとも言えない良い味を出しています.インスト部分も素晴らしく 2
曲目のヴァイオリンソロなんてゾクゾク来ますね.シンフォというにはちょっとスケールがこじんまりしていますが,非常によくまとまっていてテクニック的に
も申し分なしです.

ポップで美しいボーカルも開放的で明るく気持ちが良いです.

The Underground Railroad / The Origin Of Consciosness

アメリカのシンフォバンドの 2nd アルバム.

インスト中心でテクニカルで前のめりのシンフォ作品.畳み掛けるようにどんどん攻め込んできます.テクニカルさだけでなく,美しさも兼ね備えており,スケールも大きくクールな雰囲気のシンフォです.かなりかちっとした硬い感じ.

ギターはホールズワースっぽい所もありますね.それに美しくテクニカルなキーボードが絡んできます.ジャズロック的なノリもあります.複雑な曲をさらっと演奏している感じですね.

カナダの Spaced Out の 1st 辺りにもちょっと雰囲気似てるかな.

うーん,これはいいなぁ.