(聴きかけでとりあえずのレビュー)
2006年の新譜.新曲とそれまでの未発表曲の新録から構成されるとのこと.2枚組.
ネオプログレ然として,ポップでテクニカルなシンフォサウンドという感じの
近作でしたが,この作品はよりジェネシス的で,たおやかな雰囲気が強いです.結構フルートが前面に出ているのが今までになかったパターンでしょうか.
Disk 1 の 1 曲目からスリリングで切り返しを多用した Cast らしいシンフォ炸裂です.Disk 1 の 5, 6曲目辺りは,イタリアの Eris Pluvia のような爽やかな美しさや,フランスの Jean Pascal Boffo のようなメルヘンちっくな雰囲気も感じられます.
曲にもよりますが,全体的には,今までの Cast より若干落ち着いた感じがします.切り返した後,これまでの Cast であれば,押せ押せの前のめりで一気に盛り上がっていく所ですが,今回はそこをぐっとこらえてほどほどにとどめ,じらせるようにゆっくり盛り上がっていきます.
演奏テクに関しては,なんか先祖返りして,心許なく成っているような気も.Cast だから許す(意味不明).(^_^;)
とは言え,Cast もすっかり安心して新譜の買えるバンドになりました.期待を裏切らない良作です.