Gary Husband / Dirty & Beautiful Volume 1

Dirty and Beautiful
Dirty and Beautiful Gary Husband

Abstract Logix 2010-11-16
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Holdsworth, McLaughlin なんかとの共演で知られるドラマー/キーボーディストの 2010 年作.

曲ごとにゲストを迎えた作品.ゲストが半端じゃなく豪華で,その豪華メンバーの期待を裏切らないなかなかの秀作です.

たまに Holdsworth 目当てで買って,弾きまくってないので文句を言っているサイトなんかありますが,アルバムの本質をハズしてますよね.豪華メンバー目当てで買ったんですが,やっぱり豪華なだけの音は出してます.

Holdsworth の少し聴いただけでわかるバッキングの上で,Holdsworth が弾き倒すのかと思いきや,Jan Hammer がこれまた一聴で分かる音で弾き倒す 1 曲目で幕を開けます.バリバリ弾いてなくてもこの存在感が示せる Holdsworth はさすがです.McLaughlin もやはり一聴しただけで分かる音で弾き倒してますね.結構ゴリゴリ弾いてます.

という風にメンバー毎にその個性を充分に発揮しているのはさすがですね.その他も見ててよだれが出そうなメンバーが揃っていますので,一度聴いてみる価値はあるんじゃないでしょうか.

Tohpati Ethnomission / Save the Planet

Save the Planet
Save the Planet Tohpati Ethnomission

Moonjune Records 2010-08-17
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インドネシアのギターリストのソロプロジェクトの 2010 年盤.Tohpati さんは Simak Dialog のギターリストでもあるようです.

出だし一瞬クリムゾン? と思わせる始まり方をしますが,その後はパーカッションが土台を支えるテクニカルなガムランフュージョンが繰り広げられます.

とにかくスリリングでテクニカルでガムラン的味わいたっぷりなエキゾチックなフュージョンサウンドが繰り広げられ,Fusion ファンにはかなり受け入れられるのではないでしょうか.

Simak Dialog はそれほどぐっと来るモノがなかった方でも,これはかなりグイグイ来ますから,一度聴いてみる事をおすすめします.

(参考)

Jean-Philippe Viret / Considerations

Considerations
Considerations Jean-Philippe Viret

Sketch 2001-06-11
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ベーシスト Jean-Philippe Viret 名義のピアノトリオ作品ですが,三者の誰が 目立つという事なく,一体となって盛り上がるジャズです.

テーマとソロも明確に別れているというよりは一体となって曲を創り上げて いっている感じでどの部分が欠けても曲が成り立たないと思えるほどです.三者一体 となって盛り上がっていく様は圧巻としか言いようがなく,繊細かつ大胆な演奏が 本当に素晴らしいです.

Ligro / Dictionary I

インドネシアのギタートリオの 2008 年作.

出だしが Mahavishnu Orchestra 風で始まるので,その手のゴリゴリな JazzRock / Progressive Rock かと思いきや,その後はセッション的なノリの強いストレートなインストギターロックが展開されます.

イギリスの Network とか,Jeff Beck の最近のライブのようなフリーなフォーマットの上で自在に演奏するような雰囲気に近い気がしますが,Network の荒い感じはなく,緻密でカチっとした感じがしますね.

ドラムも結構疾走感があって,勢いのあるインスト JazzRock という感じでしょうか.

YouTube にライブ映像ありますけど,そちらはさらに尖った感じの演奏になってますね.

  • http://www.youtube.com/watch?v=BznKDQ-FuE4

あたりとかねー.↓(参考) のレビューが詳しいです.

(参考)

Crimetime Orchestra / Atomic Symphony

Atomic Symphony
Atomic Symphony Crimetime Orchestra

Jazzaway 2009-06-15
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ノルウェーのフリージャズ系なビッグバンドの 2009 年作.

CDのトラックは分かれていますが,おそらくは “Atomic Symphony” という 1 曲をいくつかのパートに分けて収めたという感じのアルバムで,曲名はありません.

クラシカルなオーケストラの演奏と言った趣きで始まり,ベタなビッグバンドジャズな感じが切れ込んで来てオロオロしているうちに,フリーな演奏が切り込んで来て一気に混沌へ.その後も混沌から整然へ,整然から混沌へ,ジャズからクラシックへ,クラシックからジャズへの変化をめまぐるしく行う,一見ぐちゃぐちゃながら,相当に計算しつくした音による混沌ミュージック.そのためか,全体として破壊されてバラバラになるという感じはなく,あくまで破壊されかかったところで再構築が入るという,その変化のたのしい北欧フリージャズでした.

2005 年の “Life Is a Beautiful Monster” とはまたちょっと違った音な気がします.