Persefone / Lingua Ignota: Part I

私がもっとも好きなプログレメタルバンドのひとつ、アンドラの Persefone の 2024 年作。

イントロ的な “Sounds And Vessels” で「おー、きたきた」と期待に胸をふくらませたのですが、その後の “One Word” で「え?」となってしまいました。なんというか、それまでのような抑揚のついたギミックにに富んだダイナミックな Persefone サウンドでなく、なんか平坦で一本調子な感じに聞こえたですよね。それと、なんか違和感感じてたら、ボーカルが交代してるんですね。

それでも聴き進めていくと、いや、やっぱり期待通り!と思わせる Persefone サウンドでした。

これこれ、この感じですよ〜。デスヴォイスとクリーントーンのボーカルの入れ替わりも良い感じ!!哀愁のギターソロもいいですね。

アルバムトータルで聴いてみてください。

5月に“Scar Symmetry Japan Tour 2024”に一緒に出演しますね。大阪の公演に申し込んでみましたが、残念ながら目標額に達せずに中止になってしまいました。

Eduardo Moreno / Disorder / Inner Odyssey

1990 年代に 2 枚のアルバムを出していたスペインのマルチミュージシャンの 2023 年作。その 2 枚は電子音楽色が強いアルバムだったらしいです。しかし、このアルバムは違います。

ジャケ絵を見るとわかるように、クリムゾンのオマージュであり、出だしからクリムゾンばりのヘヴィなサウンドが炸裂します。それだけだと、ちょっと個性的にどうかな?と思うわけですが、インスト中心で進行しながら、途中女性ボーカル入りのヘヴィロックになったりします。

そこまでだと「ちょっといい感じ」という感じで済んでいたのですが、アルバム後半の 28 分に渡る組曲 “Inner Odyssey” がとにかくすばらしいです。クリムゾン基調で Yes 風のシンフォロック、コーラスワークが入ったり、ELP 風キーボードワーク、ときには Magma にも聞こえてくる、とにかく色々ミックスされたプログレなカオスが展開されます。

まあ、一度聴いてみてください。特に “Inner Odyssey” は。

Det Skandaløse Orkester / Tenk Om Noen Ser Deg

ノルウェーのアヴァンギャルドなプログレバンドの 2018 年作。

なかなか屈折した感じのサウンドで、ボーカル部分はフランク・ザッパ的なロックオペラかミュージカル的な味わいで Samla Mammas Manna のようにおちゃらけた音楽をやってます。このサウンドはかなり高度なテクニックが土台になっていますね。

実際、ボーカルが入った屈折したおちゃらけ部分から抜けた、楽器ソロ部分になると、テクニカルなジャズ的なノリになります。

YouTube で公開されている動画はザッパの曲なんかもやってますので影響を受けてるのかもしれませんね。

ライブもかなり奇抜な感じ😂

KBB / Four Corner’s Sky

ヴァイオリン入りプログレ KBB の 2003 年作、2nd。ヴァイオリン奏者壷井彰久を中心にしたバンドです。

1st に比べてジャズロック寄りになったという評判を聴いてましたが、確かにそういう感じはします。曲によっては非常にフュージョン寄りの演奏です。ジャズロック的なスリリングさとシンフォ的なドラマチックな 味わいが丁度よくバランスされたという感想です。位置づけ的にはジャンリュックポンティ辺りと近いでしょうか(これも曲によりますが)。

変拍子ながらも軽快な “Discontinuous Spiral”、ドラマチックな “Kraken’s Brain is Blasting”、スリリングなソロが古き良き時代のジャズロックを彷彿とさせる “Back Side Edge”、静と動という感じのダイナミックな “Slave Nature” はプログレ的展開とフュージョン的展開が良い感じでミックスされています。聴き応えのあるアルバムですよ。

こちらで購入できそうです。

 

(2004年に書いたレビューに加筆)